SMIL 1.0 の公開について (W3C 勧告)

for immediate release --

(also available in English)

Contact America --
Sally Khudairi, <khudairi@w3.org>
Ian Jacobs, <jacobs@w3.org>, +1.212.684.1814

Contact Europe --
Ned Mitchell, <ned@ala.com>, +33 1 43 22 79 56
Andrew Lloyd, <allo@ala.com>, +44 127 367 5100

Contact Asia --
松原 祐三子, <matsubara@w3.org>, +81.466.49.1170


http://www.w3.org/ -- 1998年 6月15日 -- World Wide Web Consortium (W3C) は本日、 Synchronized Multimedia Integration Language (SMIL; 「スマイル」と発音します) 1.0 を W3C 勧告として公開いたしました。 SMIL 1.0 は、 Web 上でマルチメディアプレゼンテーションを実現するための仕様です。 W3C 勧告は仕様が安定しており、 Web の相互運用性に貢献し、 W3C 会員組織に よる検討の結果、業界による採用が支持されたことを示しています。

「同期マルチメディアは Web において重要度を増しつつあります。 SMIL の勧告は、 この分野において長らく待ち望まれていた、相互運用を可能にするでしょう」 (W3CDirector であり Web の発案者、 Tim Berners-Lee 談)。

SMIL を用いることで、 コンテンツ作成者は TV ライクなコンテンツを Web 上で実現することができ、 同時に通常のテレビの持つ制限を回避し、 このようなコンテンツをインターネット上で送信するのに必要とするバンド幅を低減します。 SMIL を使用するためにプログラミング言語を習得する必要はなく、 また、普通のテキストエディタを使用してコンテンツを作成することができるので、 AV コンテンツの作成が容易になります。

SMIL 1.0 は、 W3C Synchronized Multimedia (SYMM) ワーキンググループで開発されました。 SYMM ワーキンググループは、 同期マルチメディアを Web で使えるようにすることに関心のある、 CD-ROM、 インタラクティブテレビ、WWWAV ストリーミングという四つの異なる分野のエキスパートで構成されています。 同ワーキンググループは、 Digital Equipment CorporationBell LaboratoriesLucent Technologies Inc.、 ネットスケープコミュニケーションズ、 Philips Electronics N.V.RealNetworksThe Productivity Works. Inc. といった産業界で中心的な役割を果たしている企業・団体および、 Centrum voor Wiskunde en Informatica (CWI, オランダ) や National Institute of Stardards and Technology (NIST, 米国) のような研究機関や政府機関で構成されています。

SMIL の主な特長

TV ライクなコンテンツを実現する

ニュースのようなテレビ番組や教育番組では、 マルチメディアデータを多用しますが、 これらの番組においては画像、テキスト、 アニメーションの表示には同期が必要となります。

Web はマルチメディア環境ではありますが、 たとえば「音声ファイル A をビデオファイル B と並行して再生」 「音声ファイル A の再生終了後、 画像 C を表示」 という具合に時刻同期を簡単に表現する方法が欠けています。 SMIL を用いることで、 とても簡単にこのような情報表現を実現し、 TV ライクなコンテンツを Web 上で作成することができます。

SMILWeb の新境地を拓くことでしょう。 HTML は、 Web 上での静的なマルチメディアコンテンツを可能にするという素晴らしい役割を果たしました。 SMILWeb の能力を大いに拡張し、 音声・ビデオ・アニメーションといった動的なメディアを統合します」 (W3C Synchronized Multimedia Activity のリーダーであり、 SYMM ワーキンググループの Chair でもある Philipp Hoschka 談)。

Web の経験を高める

当然のことながら、 Web はテレビよりもずっと多くの機能を提供しています。 たとえば、ある SMIL プレゼンテーションを探すのに、 Web の検索エンジンを利用することができます。 また、SMIL を用いたプレゼンテーションにリンクを埋め込むことで、 ニュースに関連する情報を参照したり、 広告の商品を注文することができるようになります。 SMIL により、 ユーザは単に見ているだけの状態から、 マウスのクリック一つでインタラクティブな状態へと移ることが可能になるのです。

バンド幅を削減する

通常の TV ニュース放送では、 テキスト・静止画像・図が画面の多くの部分を占め、 ビデオ画像は画面の小さな部分を占めているに過ぎません。 SMIL の重要な特長のひとつは、 テキストや画像のようなバンド幅の小さいメディアをバンド幅の大きなメディアである動画に変換する必要性をなくし、 TV ライクなコンテンツのバンド幅を削減することです。

SMIL は、 あなたがインタラクティブなマルチメディアコンテンツを作成しようとする場合に、 インターネットがバンド幅の大きな動画データで動けなくなってしまうようなことを回避します」 (Tim Berners-Lee 談)。

オーサリングが容易

現在のところ、 Web 向けに同期マルチメディアプレゼンテーションを提供しているコンテンツ作成者はほとんどいません。 なぜなら、既存のアプローチでは、 オーサリングツールを必要としたり、プログラミングの習得が必要となるからです。

SMIL はこのような障壁をなくしています。 SMIL ドキュメントは、HTML という成功例にならい、 普通のテキストエディタを使用して記述できるようにしています。 また、コンテンツ作成者は、複雑なスクリプト言語を学ぶ代わりに、 いくつかの簡単な XML エレメントを使用して、 プレゼンテーションを記述することができます。

HTML がハイパーテキストに対しておこなったのと同様の効果を、 SMIL では同期マルチメディアに対して持つことでしょう。 SMIL は同期マルチメディアのオーサリングを一般大衆にもたらします」 (Philipp Hoschka 談)。

アクセシビリティに配慮

SMIL が提供する先進的なマルチメディアコンテンツの記述能力は、 障害をもった Web の利用者に対してアクセシビリティ面での不都合を強いることなく、 創造的なコンテンツの作成を可能にします。 特に、SMIL はマルチメディアデータに対するテキスト記述を導入しており、 またキャプションをサポートする能力を提供し、 代替メディアをサポートしています。

SMIL は、 マルチメディアコンテンツのアクセシビリティにとって、重要な進歩をもたらします。 その『ユニバーサルデザイン』は、モバイルアクセスや低バンド幅、 ノイズが多い環境など、 効果的に動画や音声を表現することができないような状況でも、 マルチメディアコンテンツを利用できるという利点があります」 (W3C Web Accessibility Initiative (WAI) International Program OfficeDirectorJudy Brewer 談)。

マルチメディアコンテンツの国際化を助ける

複数言語でのマルチメディアプレゼンテーションのニーズが増えていますが、 SMIL はこれに対応しています。 様々な言語で複数の音声トラックを含むことができるといった国際化機能により、 SMIL は多言語でのマルチメディアドキュメントをうまく表現することができます。

Web のアーキテクチャに統合されている

SMIL は、 Web アーキテクチャの利点を同期マルチメディアの世界にもたらした最初の言語です。 SMIL は、 URICSS をベースにしたレイアウト、 HTML をベースにしたハイパーリンク、 そして XML をベースにした構文など、 Web のユーザが慣れ親しんでいる構成要素を全て含んでいます。 より先進的な機能として、 SMILSMIL 言語に新たなコンポーネントを統合したり、 同期機能を必要とする他の XML アプリケーションに SMIL のコンポーネントを加えたりするのに XMLnamespace の利用を推奨する、 最初の W3C 勧告となっています。

SMIL に関する詳しい情報は、 <URL:http://www.w3.org/AudioVideo> にあります。


World Wide Web Consortium (W3C) について

World Wide Web Consortium (W3C) は、 米国マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所 (MIT/LCS)フランス国立情報処理自動化研究所 (INRIA)、 日本の慶應義塾大学 SFC 研究所 (Keio-SFC) がホスト機関として共同運営に当たっています。 World Wide Web (WWW) 技術に関する情報の提供をはじめ、 作成された規格を実現する標準的コードの実装、 新技術を応用したさまざまなプロトタイプやサンプルアプリケーションの開発などに取り組んでいます。 現在260を超える組織がコンソーシアムの会員として参加しています。

World Wide Web Consortium に関するより詳しい情報は、 <URL:http://www.w3.org/> をご覧ください。


$Date: 1998/06/17 05:50:43 $