Rule Interchange Format ワーキンググループの設置について

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ビジネスルールと Web アーキテクチャの結合を目指す

 

http://www.w3.org/ — 2005年11月7日 — World Wide Web Consortium (W3C) は本日、Web 上でのルール交換方法の標準化を目的とした Rule Interchange Format (RIF) ワーキンググループを設置いたします。Semantic Web を実現する上でルールは、分散化され、透明かつスケーラブルな方法で、複数のデータソースからのデータ統合、展開、変換を可能にする重要な構成要素の1つと位置付けられます。

W3C 技術統括責任者を務める Tim Berners-Lee は次のように説明しています。「数年にわたるルール記述言語に関する業界活動や研究成果を受け、W3C 会員組織が Web に基盤を置くルール記述標準の策定に取り組むことを嬉しく思います。ルール記述標準の策定に向け、ビジネスルール業界関係者、ビジネスルールを利用するユーザ企業、ルール記述言語設計者、Semantic Web 開発者らが一堂に会することで、Semantic Web はその真価を発揮すべく重要な一歩を記します。」

ビジネスアプリケーションの可能性を引き出すルール記述標準

本発表は、Web における共通の Rule Interchange Format (ルール記述交換形式) に関する要件を把握すべく、ビジネスルール開発者、Semantic Web 開発者、あるいはそれらの利用者を含む、業界リーダらが一堂に会するという重要な一歩を示しています。Rule Interchange Format は、既存あるいは新規の様々なルール記述言語群で共有可能な統一的な記述方法を提示し、あるアプリケーション向けに記述されたルールを、他のアプリケーションやその他のルール処理プログラムにおいても公開、共有、統合、再利用できるようにします。Rule Interchange Format はまた、個人、部門、企業、あるいは一般のデータソースからのデータを相互に統合する機能や、新しい推論機能を提供します。この他にも、新規顧客獲得や、医師による処方箋の承認、銀行におけるローン申込手続きといった活動支援なども対象となります。Web 向けの Rule Interchange Format により、標準化による一般的なコストダウン効果だけでなく、とりわけ Semantic Web 基盤により提供される様々なデータソースからのルール記述の交換や統合機能により、従来からのルール技術も強化されます。

Web アーキテクチャとの相乗効果で可能性が広がるビジネスルール

動的なビジネスルール市場という考え方を Web アーキテクチャに結び付けようとする動きは、ILOG、Fair Isaac、Pegasystems、IBM、Oracle、AgfaGM などを含む、60 を超える業界組織や研究機関が一堂に会し、本年4月に成功裏に開催された相互運用のためのルール記述言語に関する W3C ワークショップ (W3C Workshop on Rule Languages for Interoperability) に端を発します。 W3C に新たに設置される RIF ワーキンググループは、多様なコミュニティからの要求を勘案した上で、ルール記述言語間でのルール相互変換と、それにより可能となるルールシステム間でのルール相互転送を実現する核となるルール記述言語とその拡張を策定することになります。

詳細については W3C Rule Interchange Format ページをご覧下さい。

本活動は、アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学 (MIT) 及びアメリカ合衆国空軍研究所 (AFRL) による二者間協力協定 F30602-00-2-0593 号に従い、DARPA エージェント記述言語 (DAML) 計画の一環として、アメリカ合衆国国防総省高等研究計画局 (DARPA) からの研究資金により実施されます。

World Wide Web Consortium [W3C] について

W3C は、Web の発展を促進し、相互運用性を保証する共通のプロトコルを開発することにより、Web の可能性を最大限に導き出すべく設立されました。W3C は、日本の慶應義塾大学、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及びアメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL) がホスト機関として共同運営する会員制の国際産業コンソーシアムです。コンソーシアムにより提供されるサービスには、開発者及び利用者のための World Wide Web に関する豊富な情報、新技術を応用した様々なプロトタイプやサンプルアプリケーションの開発などが挙げられます。現在までに 400 を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。詳しくは W3C の Web サイト http://www.w3.org/ をご参照下さい。

 

お問合せ先 (日本、アジア)
平川 泰之, <chibao@w3.org>, +81-466-49-1170
お問合せ先 (ヨーロッパ、アフリカ、中東)
Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33 4 92 38 75 94
お問合せ先 (アメリカ、オーストラリア、その他)
Janet Daly, <janet@w3.org>, +1.617.253.5884 または +1.617.253.2613

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