World Wide Web Consortium 中国オフィス開設

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急速な発展を遂げる経済圏の技術専門家らに Web 標準化活動への参加を呼び掛け

 

http://www.w3.org/ — 2006年4月4日 — World Wide Web Consortium (W3C) は、今月27日、W3C 中国オフィスを開設いたします。W3C では、新たに開設される W3C オフィスを通じ、W3C が国際的に推進する Web 標準の策定活動に、中国の専門家らが積極的に参加されることを希求します。本オフィスは、中国、北京に位置する北京航空航天 (北航) 大学 計算機系 計算機新技術研究所に設置されます。

講演や討論で構成される開設式典は、今月27-28日の2日間にわたり、北京の北航大学 如心会議中心にて開催されます。本式典には、Steve Bratt、W3C 最高執行責任者の他、中国における主要な業界及び研究機関からの代表者らが臨席します。中国における業界及び学術界からの代表者らによる講演に加え、W3C において取組みが進むモバイル Web イニシアティヴ国際化Rich Web ClientSemantic Web音声ブラウザの各活動に関する W3C スタッフによる発表も行われます。本式典の講演者は次の通りです。

  • 芦村 和幸W3C 音声ブラウザワーキンググループ責任者
  • Steve BrattW3C 最高執行責任者
  • Marie-Claire ForgueW3C 欧州広報責任者
  • Ivan HermanW3C オフィス統括責任者
  • 怀进鹏教授、W3C 中国オフィス責任者
  • Richard IshidaW3C 国際化活動責任者
  • Dean JacksonW3C Rich Web Client 活動責任者
  • 沈运申教授、W3C 香港オフィス責任者
  • 史忠植教授、中国科学院計算技術研究所
  • 汪旭氏、首都信息发展股份有限公司 執行理事 兼 総裁

著しい発展を遂げる中国の IT 産業

近年、中国の IT 産業は、年20%にも迫る著しい発展を遂げています。联想 (Lenovo)、浪潮 (Langchao)、用友 (UFIDA)、百度 (Baidu) など、幾つかの名高い IT 企業を設立に導いた中国の IT 産業は、中国国内外の顧客の期待を集めています。また、中国市場の開放に伴い、より多くの多国籍企業が現地法人子会社の設立に動いています。中国では、Web サービス、グリッドコンピューティング、電子商取引、電子政府、顧客管理 (CRM)、ネットワーク、通信、モバイルインターネットやモバイル Web、ロボット工学、組込みソフトウェアなどの技術開発が盛んに行われています。中国はアジアにおける IT リーダの一員として大変有望視されています。

中国国内外からの市場要求に従い、中国の Web 業界が国際標準を採用するとともに、その策定に積極的に参画することが重要視されています。この巨大市場における国際化やモバイル Web に関する利用実態から得られる情報は、国際標準化活動に反映されなければならないものです。W3C では、Web の可能性を最大限に導き出すためには、中国が培ってきた専門的知見が必要不可欠と考えています。W3C 中国オフィスの開設を受け、W3C では、国際的な Web 標準の策定を中国の産業界及び学術界とともにより幅広く推進していきます。

北京航空航天 (北航) 大学 計算機学院について

北航大学は半世紀以上の歴史を持つ中国有数の大学です。北航大学はまた、積極的かつ集中的に国際的な学術交流連携計画を推進しています。

北航大学 計算機学院は、130名以上の専任教員が所属し、中国でも最高の計算機科学学院と評価されています。本学院はまた、国立重点研究所、国務院教育部付属重点研究所、及び2つの北京市立重点研究所をそれぞれ擁しています。本学院は数多くの国家表彰を受賞しているだけでなく、国際論文誌への論文掲載も広範にわたっています。所属する教員や学生は計138にも及ぶ外部研究プロジェクトに参加しており、その研究資金総額は2005年実績で1億5000万人民元、日本円に換算して約20億円にも上ります。

W3C オフィスについて

W3C は、Web の可能性を最大限に実現するための会員活動の一環として、W3C 活動の普及を推進する地域組織と協力しています。W3C オフィスは、各地域語による普及活動支援、W3C 活動地域の拡大促進、W3C 活動への国際的な参加奨励などを推進しています。中国本土に開設される新オフィスを含め、W3C オフィスは現在、オーストラリア、ベネルクス (ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ)、中国、フィンランド、ドイツ - オーストリア、ギリシャ、香港、ハンガリー、インド、イスラエル、イタリア、韓国、モロッコ、スペイン、スウェーデン、イギリス & アイルランドの 16 の国と地域にそれぞれ設置されています。

World Wide Web Consortium [W3C] について

World Wide Web Consortium (W3C) は、会員組織、専任スタッフ、そして一般の皆様が一丸となって Web 標準の策定に取組む国際的なコンソーシアムです。W3C は、Web の長期的な発展を保証すべく設計された Web 標準や指針の策定を通じ、その使命の遂行に努めます。現在までに 400 を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。W3C は、日本の慶應義塾大学、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及びアメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL) の各ホスト機関により共同運営されています。加えて各国地域における普及推進拠点となる W3C オフィスを世界各地に設置しています。詳しくは W3C の Web サイト http://www.w3.org/ をご参照下さい。

 

お問合せ先 (日本、アジア)
平川 泰之, <chibao@w3.org>, +81-466-49-1170
お問合せ先 (ヨーロッパ、アフリカ、中東)
Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33 4 92 38 75 94 または +33 6 76 86 33 41
お問合せ先 (アメリカ、オーストラリア、その他)
Janet Daly, <janet@w3.org>, +1.617.253.5884 または +1.617.253.2613
Yasuyuki Hirakawa <chibao@w3.org>, +81.466.49.1170

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