W3C

SOAP Version 1.2 の公開について (W3C 勧告)

W3C XML Protocol ワーキンググループ、Web サービスに必要不可欠なコンポーネントを策定

お問い合わせ先 (アメリカ、オーストラリア) --
Janet Daly, <janet@w3.org>, +1.617.253.5884 または +1.617.253.2613
お問い合わせ先 (ヨーロッパ) --
Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33.492.38.75.94
お問い合わせ先 (アジア) --
竹内 佐衣子, <saeko@w3.org>, +81.466.49.1170

(This press release is also available in English / 英語 and Français / フランス語)


http://www.w3.org/ -- 2003年6月24日 -- World Wide Web Consortium (W3C) は本日、SOAP Version 1.2 PrimerSOAP Version 1.2 Messaging FrameworkSOAP Version 1.2 AdjunctsSOAP Version 1.2 Specification Assertions and Test Collection から構成される SOAP Version 1.2 を W3C 勧告として公開いたしました。SOAP Version 1.2 は、Web のように集中管理でない分散環境における、構造化された情報交換向けの軽量プロトコルです。Web 標準に相当する W3C 勧告は、W3C によって策定された本仕様が安定しており、Web の相互運用性の確保に貢献し、W3C 会員組織によって検討され、業界による本仕様の採用が支持されたことを示しています。

W3C の技術統括責任者である Tim Berners-Lee は次のように説明しています。「Web サービスでは、共有され、強固で、期待されるパフォーマンスが達成できる技術基盤が構築された時に初めて、期待された相互運用可能なアプリケーションを実現することができます。本日 W3C 会員は、必要な Web 標準を全てサポートするとともに、厳密なテストと実装を経た SOAP の最初のバージョンである SOAP Version 1.2 を承認しました。Web サービスの利用者や開発者は双方共に、利用が想定される広範な Web 技術やアプリケーションを強化する、XML に基づく Web サービスプロトコルを必要としています。そこに今、SOAP Version 1.2 が策定され、利用できるようになりました。」

堅牢な Web サービスになくてはならない標準化されたしなやかなメッセージ交換モデル

Web のようにネットワーク化され、集中管理ではない分散環境において、データ転送は今日の計算機環境においてなくてはならない存在です。XML がデータ処理に適した形式であることから、ソフトウェア間、計算機間、あるいは組織間などを問わず、アプリケーションレベルにおける転送プロトコルとして、送信元、受信先の双方に対して XML を応用する試みとなります。

2000年9月の策定作業開始以来、W3CXML Protocol ワーキンググループは、W3C の技術ノートである SOAP 1.1 を元に、XML Protocol Requirements 及び SOAP Version 1.2 仕様の策定作業を進めてきました。ワーキンググループにより幾つもの草案が策定され、開発者らからは貴重なコメントを頂戴し、相互運用可能な実装の検証を経て、さらには W3C 会員による包括的なレビューを受けた今、SOAP Version 1.2 の広範な採用に向けた準備が整えられました。

洗練された処理モデルだけでなく、W3C 勧告に対する安定したサポートも提供する SOAP Version 1.2

W3C XML Protocol ワーキンググループは、データ格納言語として XML を用い、分散環境におけるピアツーピアないし複数ピア間での通信を実現する技術を開発することを目的としています。これにより、簡潔で拡張可能なメッセージ交換形式に対し、堅牢性、簡潔性、再利用性、相互運用性を兼ね備えた階層構造が実現されます。

アプリケーション設計者といったユーザ向けの入門書である Primer は、実例と仕様の詳細へのリンクを用いて SOAP Version 1.2 の機能を分かりやすく説明した解説書です。SOAP Version 1.2 仕様は、Message FrameworkAdjuncts の2つの部分からなる、XML に基づくメッセージ交換システムに対するフレームワークを提供します。

SOAP Version 1.2 Message Framework は、SOAP メッセージの処理規則を記した処理モデル、開発者が SOAP メッセージの内外において拡張機能を利用できるようにする拡張可能フレームワーク、SOAP メッセージの構成規則を記したメッセージ構成法、HTTP といった下層プロトコルを用いた SOAP メッセージの交換方法を指定する規則を記したプロトコルバインドフレームワークをそれぞれ提供します。

SOAP Version 1.2 Adjuncts により SOAP Version 1.2 仕様が完結します。これには、遠隔手続き呼出し (RPC) の記述規則、SOAP メッセージのエンコード規則、SOAP の機能及びプロトコルのバインド方法の記述規則が含まれています。また、Web のメカニズムに基づく SOAP メッセージの交換を実現する、HTTP (Hypertext Transfer Protocol) を用いた SOAP の標準プロトコルバインド方法が提供されています。

Specification Assertions and Test Collection では、SOAP プロセッサを実装するユーザの支援を目的に、Messaging Framework 及び Adjuncts の記述から得られる一連のテスト用データ集が提供されます。本テスト集を用いることによって、 SOAP プロセッサが各仕様を正しく実装しているか、SOAP Version 1.2 に基づく様々な実装間で相互運用性が確保されるように設計されているか、について確認することができます。

SOAP Version 1.2 は、ワーキンググループ憲章に示されている要求事項を満たすだけでなく、中核をなす XML 技術との整合性も保証されています。SOAP Version 1.2 は W3CXML スキーマとシームレスに機能するよう設計されており、膨大な XML 用ツールとの相乗効果で SOAP 用のユーティリティツールの効果を最大限にするとともに、今後の Web Services Description Language (WSDL) の策定作業の足掛かりともなります。また、複数の XML 言語の混在を可能にする柔軟かつ軽量なメカニズムである Namespaces in XML も利用しています。

SOAP Version 1.2 では、SOAP 1.1 に含まれている曖昧性を排除した、洗練された処理モデルが採用されています。また、開発者がより良いアプリケーションを記述できるよう、エラーメッセージも改善されています。

プロダクトへの実装も順調に進む SOAP Version 1.2

勧告候補期間の終了を受け、仕様に基づく実装の実行可能性や相互運用性を確保すべく、W3C 会員組織や他の独立した開発者らによって実装された7つの SOAP Version 1.2 実装に対する報告が、W3C XML Protocol ワーキンググループによって取りまとめられました。先の SOAP 1.1 に対するものだけでなく、それに基づく SOAP Version 1.2 に対するものも含め、一般に対するレビュー期間の際に報告された400を超える技術的ないし編集上の問題点は、勧告案の段階で本ワーキンググループによって確認され、解決されています。

本ワーキンググループは現在、AT&TBEA Systems、キヤノン、DaimlerChrysler Research and TechnologyEricsson、富士通、IBMIONA TechnologiesMacromedia、松下電器、Microsoft CorporationOracle CorporationSAP AGSeeBeyondSoftware AGSun MicrosystemsSystinet といった技術や業界をリードする多くの組織によって構成されています。

SOAP Version 1.2 の策定に際しては、W3C 会員以外の開発者コミュニティや同様の活動を進める他の組織などからも貴重なコメントが寄せられました。また多くの W3C 会員からは、SOAP Version 1.2 に対する既存のプロダクトへの実装や将来的な実装を表明する推薦状が寄せられています。

World Wide Web Consortium [W3C] について

W3C は、Web の発展と相互運用性を確保するための共通のプロトコルを開発することにより、Web の可能性を最大限に引き出すべく設立されました。W3C は、アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所 (MIT/LCS)、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及び日本の慶應義塾大学がホスト機関として共同運営にあたっている国際産業コンソーシアムです。 コンソーシアムにより提供されるサービスには、開発者及び利用者のための World Wide Web に関する豊富な情報、新技術を応用した様々なプロトタイプやサンプルアプリケーションの開発などが挙げられます。現在までに、400を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。詳しくは http://www.w3.org/ をご参照下さい。