W3C

W3C (World wide web consortium)とは

W3C (World Wide Web Consortium) は、すべての人があらゆる環境で同じようにデータを扱える「One Web」のためにWWW技術の情報提供、仕様策定と促進、新技術のプロトタイプの実装、また、ソフトウェアやツールといった相互運用可能な技術開発に取り組んでいる国際的コンソーシアムです。「Lead the Web to its Full Potential」を使命とし、情報通信産業や商取引、あるいは集団的な合意に基づくフォーラムとしてウェブの可能性を最大限に導き出します。慶應義塾大学は、現在世界3箇所に設置されているW3Cパートナーの1つとして、仏・ERCIM (欧州情報処理数学研究コンソーシアム)、中・北京航空航天大学とともにW3C運営に携わっています。

W3C Process 2023翻訳完成

W3C Process 2023を高村吉一氏が翻訳して下さいました。同氏は2019年 W3C TPAC Developer Meetupの「Recognizing the W3C Japanese translators community」で、数々のW3C文書を日本語に訳した貢献に対して表彰された人物のお1人でもあります。

W3C Process文書は長文に渡りW3Cにおけるプロセスを精微に定めています。日本語訳があることで、会員やウェブ技術開発者は更なる理解を深めていただけます。

「ウェブブラウザの縦書きレイアウトに関する国際標準化および普及活動への貢献」が2020年度情報通信技術賞 総務大臣賞を受賞 (2020/06/16)

Certificate for Jpanese vertical layout

2019年12月にW3C勧告に到達した「CSS Writing Modes Level 3」までに至る経緯とその成果を評価いただき、本作業に日本国内で取り組んできた団体が、情報通信技術委員会 (TTC・The Telecommunication Technology Committee)様の「2020年度情報通信技術賞 総務大臣表彰を受賞しました。

本賞は「ウェブブラウザの縦書きレイアウトに関する国際標準化および普及活動への貢献」として、「次世代Webブラウザのテキストレイアウトに関する検討会」の団体として授与されたものです。

Trophy for Jpanese vertical layout

ウェブ上のデザインを多様化すること、そして日本の文化を継承することから始まった本団体活動でしたが、この萌芽は1996年、本仕様のディスカッションから始まったものでした。その後、多くの有識者やコミュニティが勧告を達成するまで数えきれないほどの議論や調整を国内外で行ない、正式に世界標準となりました。自国文化を守ることも含め、日本初の国際標準化活動を代表する活動の一つとして歴史に残るものでもあります。



2回目の技術・工学エミー賞を受賞 (2019/04/08)

NATAS Logo

W3CはNATAS (The National Academy of Television Arts and Sciences・米国テレビジョン芸術・科学アカデミー)から第70回技術・工学エミー賞 (Technology & Engineering Emmy Award)を受賞しました。エミー賞は、世界のテレビ技術の発展に貢献した個人や組織に与えられる大変に権威のある賞で、授章式は4月8日夜 (現地時間)、ラスベガスのウィンホテルにおいて開催されました。

Tech Emmys recipients

W3Cが技術・工学部門でエミー賞を受賞するのは、2016年にW3C TTML (Timed Text Mark-up Language) 技術に対する受賞以来、今回で2回目です。今回の受賞は、Standardization of HTML5, Encrypted Media Extensions (EME) and Media Source Extensions (MSE) for a Full TV Experienceが評価されました。

本受賞は1998年に初開催されたW3C Workshop on Web and TVから繋がっています。Web and TVは過去20年間にわたりW3C議論のテーマであり開発技術ですが、もはやウェブ上の動画は当たり前のものとなっています。それに加え、その視聴を全ての人に可能とするため、W3Cはウェブ上の動画やテレビをアクセシブルにするために専門スタッフも従事しています。W3Cの未来は過去にも増してエキサイティングなものであり、新しい技術への取り組みも日々進んでいます。

W3Cを代表して本賞を受賞した村井 純 (慶應義塾大学 教授・W3C Steering Committee) は次のスピーチをしました。

「ウェブには境界線はありません。そしてウェブ上の各メディアの視聴者は、世界で40億人を超えています。
 W3Cはウェブ上で動画再生を可能にし、ウェブ上の完全なFull TV experienceを実現するための技術標準に取り組んでいます。これはW3Cが取り組んできた多くの分野の1つですが、W3Cが開発したウェブ技術の中でもHTML5はウェブに動画をもたらし、メディア再生のためのプラグイン方式を収束しました。現在ではW3Cの技術が全てのウェブメディアアプリケーションの中核となっています。ウェブは今や、いつでもどこでも、どんなデバイスでも、どんな解像度でも、そして誰にでも利用できるプラットフォームとなりました。
 私はW3Cを代表して、私たちの技術を評価したNATASに感謝します。そしてFull TV experienceの標準化に貢献されてきた各企業・個人にも深い謝意を表したく思います。」

W3Cは、何百万というウェブユーザーがウェブ上でビデオストリーミングを通して動画を視聴する、より安全で安心な環境を、それとは知らずに享受している事を誇りに思います。W3Cは私たちのコミュニティ、そしてウェブの標準化と技術を構築するために活動している全ての人々に感謝しながら、継続して革新的な基盤 - Open Web Platform - の進歩・発展に努めてゆきます。


W3C Steering Committee・慶應義塾大学 教授 村井純が、フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受賞 (2019/02/13)

Speech from Jun Murai

W3Cにも、その活躍の場を広げている村井純 政策・メディア研究科委員長/環境情報学部教授が、フランス政府より「レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ」を受賞しました。これは、インターネット研究を通して日仏間の学術交流発展へ貢献した功績に対して授与されたものです。本賞は、1802年にナポレオン・ポナパルトによって創設されたフランス最高位の勲章で、さまざまな分野における民間人の「卓越した功績」を表彰しています。

ローラン・ピック駐日フランス大使は、世界の「インターネットサムライ」として村井教授を紹介しました。彼のインターネット研究活動が社会と技術の進歩に大きく寄与したことを称え、本分野で日本とフランスとの共同研究や研究交流を推進してきたことにも謝意を示しました。

村井教授は、インターネット研究者はアメリカに多数いるものの、標準化、特にワールド・ワイド・ウェブや衛星のインターネットの分野ではフランスと日本が力を合わせて行ってきたことが多かったことを述べ、本受賞が今後の両国の若い人材の力も交えた、デジタルテクノロジー分野のさらなる発展に繋がってほしいと結びました。
(撮影: 石戸 晋)

縦書きWeb」が2018年グッドデザイン賞を受賞 (2018/10/03)

W3C (World Wide Web Consortium)で国際標準化を目指し、総務省支援の「縦書きWeb普及委員会」が開発する「縦書きWeb」が2018年度グッドデザイン賞 (主催:公益財団法人日本デザイン振興会) を受賞しました。

縦書きWeb」は日本固有の表現や文化を伝承し、世界への発信と日本語表記をICT環境でも継承するために総務省が支援している「次世代Webブラウザのテキストレイアウトに関する検討会」(主査:村井純 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究委員長 環境情報学部 教授) で現在も議論を重ねています。そこではWebにおける縦書きの利用を普及促進させ、ウェブ上のデザインや表現を多彩にするためにW3C CSS Writing Modes Level 3 (文字の方向 (縦横) を指定するCSSモジュール) の普及啓蒙に取り組んでいます。

その成果やコンテストなどを通じた訴求活動、そして国際標準化活動との融合が表現文化の新たな扉をも開いたとして高く評価され、審査委員団全体からは下記のようにコメントをいただきました。

Good Design Awards Logo

~~審査員コメント~~
Webデザインに縦書きがあったら、新たな表現文化が生まれるのではないか。そんな可能性を感じるプロジェクトである。この取り組みの素晴らしい所は、こうした縦書きを場当たり的な対応方法として普及させるのではなく、国際標準化を後押しするというアプローチを取っている点である。今後縦書きが可能になることで、新たなユーザビリティの課題なども予見される。しかし横書きと縦書きを自由に選択できることは、これからのWebデザインに多様で自由な表現をもたらすきっかけとなるはずだ。
~~~~~~~~~~~

縦書きWeb」は「私の選んだ一品」展でまず展示されます。それに引き続き、同賞の表彰式を初日として最新のグッドデザイン全件が集まる受賞展も開催されます。ぜひ足をお運び下さい。

Good Design Awards Logo
展示名:
「私の選んだ一品」展
概要:
グッドデザイン賞審査委員一人ひとりが選んだお気に入りの受賞デザインを展示する企画展
(「縦書きWeb」は鹿野 護委員推薦として展示)
期間:
10月03日(水)~11月4日(日)
場所:
GOOD DESIGN Marunouchi 東京都千代田区丸の内3?4?1 新国際ビル1F
Good Design Awards Logo
受賞展名:
「GOOD DESIGN EXHIBITION 2018」- 2018年度グッドデザイン賞受賞展
概要:
2018年グッドデザイン賞受賞対象の展示(約1300点)来場見込みは約20万人。
期間:
10月31日(水)?11月4日(日)
場所:
東京ミッドタウン (東京都港区六本木)

W3Cはご関係各社様に深く感謝するとともに、引き続き「縦書きWeb」がWebに携わる人々だけでなくWebに触れる全ての人たちにとってもあたり前の表現方法となり、日本文化の1つが世界標準として認識されるべく務めて参ります。

Diversity Scholarshipsの導入 (2018/06/20)

2018年6月20日:もうまもなく、世界の半数がウェブを日常的に使用する世の中を迎える中、W3Cは多様性をウェブに反映すべきであると考え、この度「Diversity Scholarships」 プログラムの運用を開始しました。これは会員・非会員・LGBT・性差・障害などに限らず、W3Cが年に一度開催している技術会議 (TPAC・Technical Plenary Advisory Committee Meeting)の参加費用を一部援助するプログラムです。本プログラムは、W3C会員企業であるSamsung Electronics、The Paciello Group、Consensus System、Microsoftの各社から後援の申し出をいただいています。

本年度のW3C TPACはフランス・リヨンで10月22日から26日にかけて開催されます。本プログラムを通して参加を希望する方は、こちらから7月15日までにご応募下さい。

W3C Staff Contact for WoT/M&Eの芦村和幸が、情報通信技術賞TTC会長賞を受賞しました (2018/6/19)

2018年6月19日:W3C(World Wide Web Consortium)の事務局スタッフである芦村和幸が、一般社団法人 情報通信技術委員会 (TTC)より、情報通信技術賞 TTC会長賞を受賞しました。

芦村は、平成17年より現在まで一貫してさまざまな技術テーマを対象に担当標準化グループ(W3C Working GroupおよびW3C Interest Group)における標準化作業の各工程について、「グローバルな標準化」と「日本からの発信」の観点で標準化推進に取り組み、日本の取組をグローバル議論に紹介するとともに、W3Cとして検討すべき課題を提起するなど、標準化審議の促進に多大な貢献を行ってきました。また、各標準化グループにおいて、議長と協力しながら、標準化活動を主導的に推進するとともに、その過程で培われた知見や人脈を活かし、日本および海外で開催される標準化議論会合(F2F会合)の主催者として会議運営に従事するとともに、他の参加者をサポートし、ロジスティクスを通じて標準化活動に貢献しています。