CSS Writing ModesがW3C勧告に

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https://www.w3.org/ — 2019年12月10日 – W3C (World Wide Web Consortium)は本日、CSS (Cascading Style Sheet) Writing Modes Level 3を正式にW3C勧告(REC/Recommendation) とすることを発表しました。これはWeb上のテキストを水平または垂直にレイアウトすることや、行送りの方向の設定も可能にするものです。

2004年にW3C CSSワーキンググループがテキストレイアウトの開発に着手してから15年、本日がCSS Writing Modes Level3がW3C勧告に到達したマイルストーンです。数え切れないほどの議論や開発、調整、そして日本だけでなく、多くのアジア諸国の協力のおかげで、日本の文化でもある縦書きCSSがWeb上で、ついに国際的な標準になりました。」と言及しました。

W3C Steering Committee (運営委員会)のメンバーであり

幅広い記述言語をサポートするCSS

CSS Writing Modes Level 3は、横書きの左から右への記述(英語やヒンディ語など)、横書きの右から左への記述 (ヘブライ語やアラビア語など)、そして日本語やモンゴル語などで使われるように縦書きに記述するような、様々な国際的な記述方向を実現するためのCSS仕様です。また、アラビア語と英語がともに使われて両方向の記述が混在する場合や、英語やヘブライ語などを縦書きに記述するアジア言語に挿入する場合など、それらの記述方向を混在させる場合の表示方法についても規定しています。

新たなCSSの機能により、同じページ上で横書きおよび縦書きの記述を混在できます。またこの仕様では、双方向混在の記述における分離、字形の方向制御、縦書き記述の行中に短い横書き記述の文字列を挿入する機能も追加されました。縦書きでは、中国語、日本語、韓国語のような右から左への行送りと、モンゴル語のような左から右への行送りが実現可能です。

さまざまな言語における有識者とコミュニティが、ウェブプラットフォーム全体に影響を及ぼした

要望を世界標準として実現した本W3C勧告は、さまざまな言語における有識者からなるコミュニティがウェブプラットフォームそのものに変革を実現した多大なる成果です。

世界中の技術者だけでなく、特に日本の各言語グループの専門家からの関与は、各種機能の研究、特定、そして実装など全ての作業において必須のものでした。ワールド・ワイド・ウェブを世界中で使用するためにブラウザメーカーにそれぞれの機能を拡張して実装するための調整も、有識者やコミュニティを通して行われました。

W3Cは言語へのサポートがそれぞれの地域に沿うべく、またニーズを満たすべく、世界中のコミュニティから積極的にフィードバックとサポートの間口を開いています。Language Matrixは、各言語において作業が必要とされる分野の概要を示しています。

W3C (World Wide Web Consortium)について

W3C (World Wide Web Consortium)の使命は、世界中全ての人がウェブをオープンな環境でアクセシブルに利用し、相互運用するための標準技術とガイドラインを策定してウェブを最大限に活用することです。今や多くの人が知るHTMLとCSSは、ウェブサイトが構築される基盤技術として広く認識されています。私たちはウェブアクセシビリティや国際化、セキュリティ、またプライバシーの領域で社会のニーズを満たすべく、W3Cが策定する全てののウェブテクノロジーの議論と開発を日々行なっています。またW3Cは、ウェブが使用されているエンターテインメント、通信、デジタル出版、金融サービスなどの分野でも、ビジネスのためのインフラとして世界標準の技術を提供しています。それらの技術はオープンに製作され、無償で提供され、W3C独自の特許方針の下で全ての人に公開されています。2016年はキャプションと字幕を使用したオンラインビデオをよりアクセシブルにするための標準技術を、2019年にはウェブ上のフルTVエクスペリエンスの標準技術が評価され、W3Cは米国技術・工学エミー賞を受賞しました。

400を超える会員と各産業の数千もの技術者が、W3Cのビジョンである「One Web」を創り上げています。W3Cは、米国のMIT Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory(MIT CSAIL:マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所) 、フランスの European Research Consortium for Informatics and Mathematics(ERCIM: 欧州情報処理数学研究コンソーシアム)、日本の慶應義塾大学 、及び中国の北京航空航天大学 (Beihang University)により共同運営されており、各国にW3Cオフィスを設置しています。詳細はこちらをご覧ください。https://www.w3.org/

End Press Release

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Amy van der Hiel, W3C Media Relations Coordinator <w3t-pr@w3.org>
+1.617.253.5628 (US, Eastern Time)

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