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WebRTC ~通信環境を一変したウェブ技術がW3CとIETF双方で標準規格に~

WebRTCはリッチでインタラクティブなライブの音声や映像通信を可能にし、グローバルな相互接続を促進します



https://www.w3.org/ and https://www.ietf.org/ — 2021年1月26日 — World Wide Web Consortium (W3C)とThe Internet Engineering Task Force (IETF)は本日、WebRTC (Web Real-Time Communications・ウェブリアルタイムコミュニケーション)が世界標準に到達したことを発表しました。

WebRTCはウェブ上の音声および映像の通信を実現します。これは同技術対応のJavaScript APIと一連の通信プロトコルで構成され、ネットワーク上で接続されたあらゆるデバイスがウェブ上の潜在的な通信エンドポイントになることを可能するものです。同技術は既にオンライン通信、およびコラボレーションサービスの基盤技術として運用されています。

W3C CEOのジェフ・ジャフェは下記を述べています。
「本日発表された成果はタイムリーなものであるとも言えます。新型コロナウイルスの世界的大流行の最中、世界中で仮想化の度合いが一段と深まり、情報共有、リアルタイム通信、またエンターテイメントにおいても、ウェブは社会にとってこれまで以上に重要な技術と存在になっています。社会が必要とする重要なデジタルインフラストラクチャを提供する組織として、私たちW3Cの技術が主要な役割を担っているのを拝見するのは大変に喜ばしいことです。ユニバーサルを実現するウェブとリッチなライブの音声と映像の組み合わせは世界中でコミュニケーションの方法を刷新しました。」

IETF議長のアリッサ・クーパー氏からは、
「VoiceとVoice over IPは世界中の人々のコミュニケーション方法に革命をもたらしました。これらテクノロジーをウェブプラットフォームと統合したことが本技術をさらに拡大させました。IETFとW3Cの緊密な協働により本技術が双方で標準技術となり、何十億もの人々がデバイスや地理的条件を超え、WebRTCを通して新型コロナウィルスパンデミックの中でもつながることを享受しています。」
とコメントをいただいています。

ライブの音声・映像の通信システムを、どのウェブサイトでも、どのウェブアプリでも

WebRTCのフレームワークは、ウェブ、そしてアプリの開発者が遠隔教育教育や遠隔医療、エンターテイメント、エンタープライズアプリケーション、ゲームなどでビデオチャットの数々の要素をシームレスに追加できるように設計されています。

そのロイヤリティフリーのフレームワークには、ウェブブラウザや各種デバイス、他プラットフォームでWebRTCを使用したセキュアな音声と映像の通信システムがセットアップとして組み込まれています。これにより、プラグインのインストールや個別のアプリケーションのダウンロードが不要となりました。

WebRTCはコミュニケーションプラットフォームとして既に広範に導入され、デスクトップ、モバイル双方の全ての主要なブラウザで映像会議とコラボレーションシステムを提供しています。本技術を介して、ライブの映像チャットがこれまで以上に容易になり、何十億ものユーザにウェブ上の対話を可能としました。また、スタートアップ企業やオンラインででビジネスを展開する企業、製品販売の商いやオープンソースプロジェクトにおいても、WebRTCはそれぞれの顧客とユーザにリアルタイム対話ソリューションの展開を大幅に拡充させました。

ポジティブでタイムリーなインパクト

2020年は旅行や物理的な接触の制限をせざるを得ない年でした。その背景を受け、既に運用されていたWebRTCがどれほどまでに重要な技術であるか、そして、その活用のために改良された技術も改めてクローズアップされました。

企業や家庭は様々な場においてWebRTCを使用する場面を自然に広げています。企業ではWebRTCを活用してトレーニングや面接を行なったり戦略的計画の議論、またはハッピーアワーとしても対面式会議の代わりに社会的交流の場として人々のつながりを継続させています。これは対面式の会合を代替するだけではなく、オフィス内の交流をも実現していることを表します。ヘルスケアや防衛のトレーニングにもWebRTCが使用されています。学校や大学もオンラインのプラットフォームに学習の場をシフトしています。クラウドゲームとソーシャルネットワークではライブストリーミングやインタラクティブな配信をしています。エンターテイメントはそれをリモートで行うことにより、視聴者をスタジオに引き戻す方法を模索しています。スポーツはWebRTCを利用してスタジアム内のエクスペリエンスを再現しようとしています。家族や友人はWebRTCで構成された製品やその一部を日常的に利用しています。

次のWebRTC

W3CとIETFが考える次のWebRTCは、WebRTCの初期のコアデザインを超えて拡張しウェブブラウザや他エコシステム (ネイティブアプリなど) の映像会議やコラボレーションシステムを強化するため、より多くの機能と最適化を必要とします。

IETF WebTransport (WEBTRANS) Working GroupおよびWebRTC Ingest Signaling over HTTPS (WISH) Working Groupでは、他のIETFワーキンググループの作業も取り入れて調整しながら仕様を拡張する作業が既に進行しています。これにはWebTransport APIの開発をサポートする新しいプロトコルを定義するQUICや、ブロードキャストツールとリアルタイムメディアネットワーク間で一方向のWebRTCベースのオーディオビジュアルセッションを確立するための、シンプルで拡張可能なHTTPSベースのシグナリングプロトコルを指定するHTTPBISが含まれます。

W3C Web WebRTC Working Group (WG)では、WebRTCの将来設計のためにWebRTC Next Version Use Casesの作業に着手しています。

W3C WebRTC WGは既存のユースケースと新しいユースケースを反復しながら、そのニーズの全域とその優先順位を認識することに注力しています。近年W3Cで開始されたWebTransportおよびWeb Codesは、低遅延ストリーミングのメリットがより広範なメディアおよびエンターテイメントエコシステムに寄与することが見込まれています。

WebRTCはアプリケーション開発用のオープンウェブプラットフォームを定義するW3C標準として、ウェブデベロッパーがあらゆるデバイスと環境で利用できる膨大なデータストアを利用した、リッチでインタラクティブエクスペリエンスを構築できる前例のない潜在力を持ちます。

ワールドワイドウェブコンソーシアムについて

W3C (ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)の使命は、世界中の人々にとってウェブがオープンでアクセス可能で相互運用可能であることを担保するための技術標準とガイドラインを作成することにより最大限にウェブを活用することです。W3C技術として広く知られているHTMLとCSSはウェブサイトを構築するための基盤技術です。W3Cは、アクセシビリティ、国際化、セキュリティ、プライバシーなどの分野で全ての基本的なウェブ技術が社会のニーズを満たすよう取り組んでいます。私たちはエンターテイメント、通信、電子書籍、金融サービスなどの分野でもウェブを活用するビジネスのインフラストラクチャを支える技術標準も提供しています。それらの技術はオープンに開発され、W3Cの特許ポリシーに基づいて無償で世界に提供されています。W3Cは、オンラインの映像をキャプションと字幕でよりアクセシブルにするための技術として2016年の技術・工学エミー賞を、テレビ上での視聴をすべての人に、なおかつアクセシブルとするための技術で2019年にも同賞を受賞しました。

「One Web」を掲げるW3Cのビジョンには、400を超える会員組織といくつもの業界を代表する何千人もの真摯な技術者が集まっています。W3Cは米国のMITコンピュータ科学・人工知能研究所(MIT CSAIL)、フランスに本部を置く欧州情報数学研究会(ERCIM)、日本の慶應義塾大学、中国の北京航空航天大学が共同で運営しています。詳細はhttps://www.w3.org/を参照下さい。

インターネットエンジニアリングタスクフォースについて

The Internet Engineering Task Force (IETF)は、インターネット技術の技術標準化団体であり、インターネットアーキテクチャの進化とインターネットの円滑な運用に関係するネットワーク設計者、エンジニア、オペレータ、ベンダー、および研究者の大規模な国際コミュニティです。詳細はhttps://www.ietf.org/を参照下さい。

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+1-703-625-3917 (US, Eastern Time)