W3C XML 生誕 10 周年 !

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あらゆる分野に普及した XML を記念し、祝賀企画に関係者をご招待

推薦状も併せてご覧下さい。

 

http://www.w3.org/ — 2008年2月12日 — World Wide Web Consortium (W3C) は、Extensible Markup Language (XML) 1.0 W3C 勧告の公開 10 周年を記念し、W3C XML 作業部会、及び、メーリングリスト参加者、あるいは、SGML 関係者や xml-dev メーリングリスト参加者ら、XML の開発、発展、普及に献身的に寄与した関係者、個人の功績を称え、通年での様々な催事を企画いたします。XML は、簡潔かつオープンで柔軟なデータ記述型式として、Web を問わず、広範なデータ交換に用いられています。XML の成功は、献身的な個々人が、W3C の標準化手続に則り、より幅広い関係者らと密接に連携し、業界を一変させる程の成果を収められることを示した動かざる証拠に他なりません。

遍在する W3CXML

Sun Microsystems, Inc. の Tim Bray 氏は次のように述べています。「デスクトップ PC や携帯機器、サーバを問わず、XML を処理しないコンピュータなど、有り得ません。これは、特定のコンピュータやソフトウェアに依存せずに、情報を梱包、送信、利用できることを示しており、非常に優れています。XML が均衡の取れた究極の情報記述言語になるとは思いませんが、初めてのものとしては非常に良くできていると思います。」

実際、状況によっては、XML に基づく技術を用いずに日々を過ごすことなど、ほとんど有り得ません。ガソリンスタンドで車に給油すれば、XML データが給油スタンドから清算レジに送られます。ディジタルカメラの機種によっては、XML に基づく視覚的なユーザインタフェースを通じて設定を行います。そのディジタルカメラをコンピュータに接続すれば、XML 型式でデータ通信が行われます。ネットワーク経由で音楽をダウンロードすれば、音楽管理ソフトウェアは楽曲情報を XML 型式で保存するでしょう。そして、火星探査の際には、XML が皆様をエスコートいたします。詳しくは、火星探査におけるオープンソースの活用をご参照下さい。

コミュニティによる成果である W3CXML

W3C では、本仕様の共著者である Tim Bray、Jean Paoli、C. M. Sperberg-McQueen の他、仕様策定に直接携わった Jon Bosak、Paula Angerstein、James Clark、Dan Connolly、Steve DeRose、Dave Hollander、Eliot Kimber、Tom Magliery、Eve Maler、Murray Maloney、村田 真、Joel Nava、Conleth O'Connell、Peter Sharpe、John Tigue (敬称略) の XML 作業部会参加者各位に深く感謝の意を表します。

XML 1.0 W3C 勧告を策定した W3CXML 作業部会を組織、運営した Sun Microsystems, Inc. 技術専務理事 (Distinguished Engineer) を務める Jon Bosak 氏は次のように述べています。「XML 生誕 10 周年はその策定経緯を振り返るのにちょうど良い機会です。XML 及び関連標準仕様群により、様々な技術的な恩恵が長年にわたりもたらされたことで、国際標準である SGML (ISO 8879:1986) のプロファイルを用いた Web 開発基盤を構築しようとした業界動機は、得てして忘れられがちです。根底に潜むあらゆる技術的課題は、データ所有権を巡る利用者と事業者との紛争に他なりませんでした。弊社は、代替案として提示されたオープンでない相互運用不可能な形式ではなく、XML を Web データ標準とする取り組みを支持しました。今日、特定事業者による囲い込みから Web データを保護するオープンな標準の成功を心よりお祝い申し上げます。紛争はすでに過去のものですが、弊社が特定事業者に縛られないデータを後々実現するための開発を推進できたことを誇りに思います。」

XML は、データ形式がオープンで、問題が生じた場合でも利用者が直接内容を確認できるだけでなく、国際化、拡張性、統合化、永続性も兼ね備えた相互運用可能な標準です。その詳細は XML に基づくデータ形式にてご確認いただけます。XML は、XML コンテンツを変換する XSLTXML データベースへの問い合わせを行う XQuery、プログラミング環境におけるコンテンツアクセスを実現する DOM の他、XML スキーマ、XML 署名、XML 暗号化など、関連標準向けの高機能な開発ソフトウェアにおいても採用されています。相互運用性が確保された XML であれば、SVG や VoiceXML といった文書形式だけでなく、SOAP や HTTP に基づく Web サービスなどを定義する場合にも自然な選択肢となります。

XML への投資を継続する W3C

W3C は、XML 仕様の初版公開以来、その維持、管理を継続しています。仕様の維持、管理は、ともすれば、報われにくく目立たない作業になりがちですが、XML Core 作業部会では、利用者からの誤り訂正依頼に基づき、仕様の校正に取り組んでいます。実際に本作業部会では今月5日に XML 1.0 第5版勧告修正案を公開し、最新の変更箇所に対する皆様からのご意見をお待ちしております。W3C ではまた、XML Core 作業部会、並びに、共同議長を務める Paul Grosso 氏、及び、Norm Walsh 氏の多大なる貢献に対し、感謝の意を表します。

W3C XML10 祝賀企画に是非ご参加ください

W3C XML10 祝賀企画の一環として W3C では、XML 関係者へのビデオインタビューや、本年中に開催される各種 XML 関連イベント等での XML10 記念品の配布を予定しています。W3C ではまた、W3C 会員組織の皆様からの XML10 へのご協賛、ご支援をお待ちいたしております。W3C は、FLWOR 財団からの XML10 への惜しみない支援に感謝いたします。

W3C では XML10 御祝状をご用意いたしました。是非、本御祝状を通じ、皆様のブログ、ビデオ、記事の他、XML 運用事例や XML に対する一般的なご意見をお寄せください。なお、ご投稿いただいた御祝状は一般公開されます。予めご了承ください。

World Wide Web Consortium [W3C] について

World Wide Web Consortium (W3C) は、会員組織、専任スタッフ、そして一般の皆様が一丸となって Web 標準の策定に取組む国際的なコンソーシアムです。W3C は、Web の長期的な発展を保証すべく設計された Web 標準や指針の策定を通じ、その使命の遂行に努めます。現在までに 400 を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。W3C は、日本の慶應義塾大学、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及びアメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL) の各ホスト機関により共同運営されています。加えて各国地域における普及推進拠点となる W3C 事務局を世界各地に設置しています。詳しくは W3C の Web サイト http://www.w3.org/ をご覧下さい。

本件お問合せ先:
日本、アジア (慶應義塾大学 SFC 研究所) — 平川 泰之, <chibao@w3.org>, +81-466-49-1170
ヨーロッパ、アフリカ、中東 (ERCIM) — Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33 492 38 75 94
アメリカ、オーストラリア、その他 (MIT CSAIL) — Ian Jacobs, <ij@w3.org>, +1.718.260.9447 または +1.617.253.2613

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