W3Cが公益非営利団体として再始動

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https://www.w3.org/ 2023 年1月31日 — ワールド・ワイド・ウェブコンソーシアムは公益非営利組織として2023 年に再始動しました。この新組織は会員主導のアプローチと既存のグローバルの組織と協力体制を保ちながら、ヨーロッパとアジアにとどまらず世界中から新たなパートナーを迎えることも視野に入れています。本組織はW3C会員、W3Cチームスタッフ、および国際社会の貢献に基づき、グローバル組織としてオープンな Webの標準技術を開発することでWeb を管理するというコンソーシアムのコアプロセスと使命を守り続けます。

W3Cは28年の専門知識に基づいて構築されています

W3Cは約30年前にWebの発明者であるティム・バーナーズ=リー卿が設立して以来、Webが発展するための基本的な技術標準を開発してきました。

W3CはWebを構築するためのHTMLやCSSなど、世界が認める標準技術を提供してきた実績を持ちます。会員とW3Cは共に社会的そして経済的にその重要な価値を進展させてきました。500近くのオープンスタンダードが20億を超えるWebサイトの作成を支えています。W3Cはソーシャルメディア、電子商取引、Web上のビデオ、ビデオ会議など、私たちの生活を一変させた革新的な事象を実現することにおいても重要な役割を果たしています。W3Cの取り組みは、障害を持つ人々のWebのアクセスを可能にし、世界中の言語と文化のWebサイトをサポートし、強力な認証によってWebセキュリティも向上させています。これらの成功は、W3C標準が誰でも使用でき、使用料無料のW3C特許ポリシーにより費用が発生しないがために実現できているものです。

ティム・バーナーズ=リー卿のコンソーシアム、W3C

「1994 年、ワールド・ワイド・ウェブコンソーシアムを設立するという決定はWebへの投資を増やしたい多くの企業の要請に基づいて実現しました。私はWeb標準の急速な進歩に対応し、Webサイトやブラウザ、デバイスを構築してWebが提供するすべてを体験できる一貫したアーキテクチャを構築するためのW3Cチームの重要な仕事を統括するようになりました。私はW3Cが世界にもたらした深い影響と会員や一般の方々と共に達成した多くの業績を誇りに思います。そして今、28年の経験を礎に独自の公益的な非営利組織を立ち上げたW3Cが可能にする継続的なその活動の強化に期待します。」

Sir Tim Berners-Lee

バーナーズ=リー卿は、Webの可能性を最大限に実現するための技術を生み出すために世界中の組織が集まる中立的なフォーラムとして長期に渡りコンソーシアムを推進してきました。W3C運営が順調に軌道に乗った中、バーナーズ=リー卿はWorld Wide Web Foundation、Open Data Institute London、そして彼の最新のWebレイヤーであるSolid Protocolなどの他の組織を設立し、Inruptという会社で新たな理念の実現に専念するようになってゆきました。そしてバーナーズ=リー卿はW3Cのほとんどの決定に直接関与することから徐々に引いてゆきました。現在は同氏のビジョンが継続されるよう、W3C理事会の常任理事として自らが設立した組織の進化を積極的に提唱し支援しています。

手段の拡大とガバナンスの強化で変革の必要性を後押しする

W3Cは長年にわたり進化するウェブの技術や用途に対応するために漸進的に変化してきました。新たに推進した本組織は、透明性と説明責任を高め、急速に進む変化への対応力を強化することが期待されています。

新体制はW3Cの継続とさらなる発展を可能にするものです。また、ガバナンスを前面に打ち出しています。W3C会員が過半数を占める取締役会が運営と戦略的方向を指導し、より明確な報告、より高い透明性を持つ国際パートナー (従来のホスト) を含む継続的なグローバル協力を目指します。

米国すべての501(c)(3)非営利団体に要求されるように、W3Cの細則や多くの文書、例えば税務文書、また営業活動、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、損益計算書を開示する特定の財務諸表は公開されることになります。またW3Cの財務諸表は独立した外部監査人が毎年監査します。

世界最高水準の規格開発プロセスの継続

W3Cは今後も実績のある規格開発プロセスを運用します。W3Cプロセスは公正性を促進し進歩を可能にします。W3Cの標準化作業はW3Cプロセス文書とロイヤリティフリーのW3C特許ポリシーの元、より広いコミュニティからの意見を取り入れながらこれまで通りオープンに行われ、意思決定は引き続きコンセンサスで為されます。技術的な方向性と勧告はW3C会員によるレビューを引き続き必要とします。Advisory Board (AB) は引き続きコミュニティ主導のプロセスドキュメントの強化に携わり、Technical Architecture Group (TAG) は技術的な課題に関する最高の権威を保持し続けます。

将来に向けたビジョン

私たちの未来へのビジョンは、真に善の力となるウェブです。真に国際的で、より包括的で、ユーザをより尊重するワールド・ワイド・ウェブ。虚偽よりも真実を、利益よりも人々を、憎しみよりも人間性を支援するウェブ。W3Cはみんなのために、みんなのために働くウェブを創り上げてゆきます。

ワールド・ワイド・ウェブコンソーシアム (W3C) について

W3Cの使命は、世界中全ての人がウェブをオープンな環境でアクセシブルに利用し、相互運用するための標準技術とガイドラインを策定してウェブを最大限に活用することです。今や多くの人が知るHTMLとCSSはウェブサイトが構築される基盤技術として広く認識されています。私たちはウェブアクセシビリティや国際化、セキュリティ、またプライバシーの領域で社会のニーズを満たすべく、W3Cが策定する全てののウェブテクノロジーの議論と開発を日々行なっています。またW3Cは、ウェブが使用されているエンターテインメント、通信、デジタル出版、金融サービスなどの分野でも、ビジネスのためのインフラとして世界標準の技術を提供しています。それらの技術はオープンに製作され、無償で提供され、W3C独自の特許方針の下で全ての人に公開されています。

400を超える会員と各産業の数千もの技術者が、W3Cのビジョンである「One Web」を創り上げています。W3Cはアメリカ合衆国に設立された公益法人であり、取締役会が主導し、全世界にスタッフを要する非営利組織です。詳細はこちらをご覧ください。https://www.w3.org/.

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Amy van der Hiel, W3C Media Relations Coordinator <w3t-pr@w3.org>
+1.617.453.8943 (US, Eastern Time)

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