平川 泰之

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Internationalization Tag Set 1.0 の公開について (W3C 勧告)

国際化に対応した Web コンテンツのための相互運用可能なマークアップ言語を実現する ITS 1.0

(also available in French and English ; see also translations in other languages)


http://www.w3.org/ — 200743 — World Wide Web Consortium (W3C) は、国際化された XML コンテンツの実現を容易にする最新の Web 標準として Internationalization Tag Set (ITS) 1.0W3C 勧告として公開いたしました。本仕様を採用することで、特定の地域における言語や文化等の要件を満たすよう、いわゆるコンテンツのローカライズを低コストで実現します。国際化に対応した XML のスキーマをゼロから設計、構築できるだけでなく、既存のスキーマを国際化対応させたり、既存のコンテンツにおける国際化対応を容易にするなど、ITS 1.0 を利用することで世界中で利用可能な XML コンテンツを制作できるようになります。

W3C国際化活動責任者である Richard Ishida は次のように説明しています。「スキーマの設計段階で国際化対応が十分に行われていないために、様々な国や地域の利用者やローカライズ担当者らが、文書形式と格闘しなければならないことがあまりにも多すぎます。開発者らは何が必要なのかを把握していないのかもしれませんし、必要なものの一部しか提供されていないのかもしれませんが、いずれにしても様々なスキーマにおいてそれらが一貫性なく提供されているに過ぎません。ITS はまさにこのような状況を改善し、新しいスキーマを設計するためだけでなく、既存のスキーマを活用する際にも、利用することができます。」

World Wide Web を構成する重要な要素となる ITS 1.0

ITS 1.0 を用いることで、各テキストにおける言語の識別や、右から左に向かって記述されるヘブライ語やアラビア語、あるいは書字方向が混在したテキストなどにおけるテキストの書字方向の指定、日本語を含む東アジアにおける文書において、発音を明記したり、簡単な注釈を添えたりする際に用いられる、いわゆるルビの記述、ローカライズを簡素化するためのツール作成者らにとって有益な要件である、コンテンツが翻訳対象か否かを指定できるなど、国際化対応の際に求められる様々な要件を満たすことができます。

国際化に対応した XML のスキーマ設計において、これらの要件は理想的には設計の初期段階から考慮されていることが望まれます。ITS 1.0 を採用することにより、テキストの書字方向を特定する "its:dir" 属性など、予め定義された ITS 1.0 機能群を用いることで、XML のスキーマ設計者らはローカライズにも即応可能なスキーマを低コストで構築できるようになります。

ITS 1.0 はまた、一切の変更を加えずに既存の XML 文書における国際化対応の改善をも可能にします。これを実現するためには、既存の文書形式における要素や属性がそれぞれ ITS 1.0 における機能とどのように関係するのかを記述することになります。ITS 1.0 において定義される強力な機能との関係を記述することにより、XHTMLDocBookDITA といった旧来からのコンテンツ資産についても、ITS 1.0 に対応したローカライズツールを用いることで、低コストで取り扱えるようになります。加えて、ITS 1.0 を採用することで、ローカライズを考慮した標準に基づくローカライズツールを、より容易かつ安価に実現できるようになります。

国際的な協調作業と要件に裏打ちされた ITS 1.0

ITS 1.0 を策定するにあたり、国際化活動では、新規または既存のスキーマに基づくスキーマ開発者、コンテンツ関連ツール事業者、コンテンツ提供者らからの国際化及びローカライズに対する多様な要件を考慮しました。ITS 1.0 はまた、OASISXLIFF TC や、LISAOSCAR SIG といったローカライズ業界を代表する標準化組織との協調作業に基づいて策定されています。

World Wide Web Consortium [W3C] について

World Wide Web Consortium (W3C) は、会員組織、専任スタッフ、そして一般の皆様が一丸となって Web 標準の策定に取組む国際的なコンソーシアムです。W3C は、Web の長期的な発展を保証すべく設計された Web 標準や指針の策定を通じ、その使命の遂行に努めます。現在までに 400 を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。W3C は、日本の慶應義塾大学、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及びアメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL) の各ホスト機関により共同運営されています。加えて各国地域における普及推進拠点となる W3C 事務局を世界各地に設置しています。詳しくは W3CWeb サイト http://www.w3.org/ をご覧下さい。

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