電子政府における Web 標準の役割に関する公開討論会を開催

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より効率的かつ説明責任の明確化された電子政府の実現に向け、Web 標準が果たすべき役割とは

 

 

http://www.w3.org/ — 2007年1月16日 — World Wide Web Consortium (W3C) は、市民と行政機関との間で履行される行政手続について、説明責任のさらなる明確化と十分な秘匿性を確保しつつ、Web 標準を用いて如何により効率化できるかを把握すべく、欧州における電子政府に関する公開討論会 (European W3C Symposium on eGovernment) を本年2月1-2日、スペイン アストゥリアス州 ヒホン (Gijón) にて開催します。本討論会では、現状において市民や行政機関が Web 技術を活用する際に直面する課題について議論します。本討論会の成果如何によっては、W3C 仕様の改良や電子政府に関連した W3C 活動の拡充といった提案につながる可能性もあります。

本討論会は、アストゥリアス公国政府の後援にて、W3C スペイン事務局とスペイン () 情報通信技術センター (Fundación CTIC) との共催により開催されます。

一般の方を含め、無料にてご参加頂けますが、事前参加登録が必要です。

市民らが切望する効率的な電子政府の進展

電子政府 (eGovernment) とは、市民との行政手続の履行において行政機関が Web を始めとする情報技術を利用することを指します。一般的な情報提供事業者が顧客に対して行っているのと同様、行政機関においても、言わば「顧客」にあたる市民に対し、税金の還付申告、自動車免許の講習、各種申請書の入手、選挙での投票などの行政手続をオンラインで行えるようにすれば、便利なだけでなく効率的でもあることに気がつきました。情報利用や効率的で秘匿性の確保された行政手続の実現は、公正公平な行政を保障する上でも重要です。相互運用可能でオープンな Web 標準を用いることで、様々な機器を通じ、それぞれ多様で特性も異なる利用者からのあらゆる情報利用が保証されるだけでなく、蓄積された情報を、未来永劫、利用可能なまま維持することも保証されます。

W3C 技術と社会 (T&S) 領域責任者代理を務める Ralph Swick は次のように述べています。「電子政府分野でも既に W3C で策定された Web 標準の広範な利用が進んでいます。本討論会において、市民の皆様の希望や目的にかなう、新技術の開発に役立つ決定的な情報が提示されることを期待しています。」

電子政府に取り組む専門家や W3C 関係者らが研究成果を共有

本討論会には、市民や地元企業などの電子政府利用者、電子政府事業に関わる専門家、技術産業、政府機関からの関係者らが参加する予定です。本討論会ではまた、電子政府要件、情報技術を活用する際に市民や行政機関が直面する課題、電子政府事業における手続、アクセシビリティ、モバイル Web、電子政府と Web Services、電子政府と Semantic Web、電子政府での行政手続における機密保護個人情報保護といった様々な話題を取り上げる予定です。

本討論会では、Peter F. Brown 氏 (Pensive.eu 創業者 兼 CEN eGovernment Focus Group 議長)、Serge Novaretti 氏 (欧州委員会 IDABC 欧州電子政府事業担当)、Eric Velleman 氏 (Bartiméus Accessibility Foundation 理事)、Vassilios Peristeras 氏 (主任研究員)、Tomas Vitvar 氏 (アイルランド国立大学 DERI Galway SIB 活動責任者) の他、W3C からは Daniel Dardailler (W3C 欧州副議長)、Ivan Herman (W3C Semantic Web 活動責任者)、Steven Pemberton (W3C HTML 及び Forms 作業部会議長 (兼任))、Yves Lafon (W3C Web Services 活動責任者) などの専門家らが講演を行います。

W3C 及び W3C スペイン事務局は、本討論会の成功を期して寛大にも資金的ないし同等の支援提供に同意して頂いた、サラゴサ市議会、SATEC、オビエド大学、(財) DINTEL、ヒホン市議会の各協賛組織の皆様に心より感謝いたします。

World Wide Web Consortium [W3C] について

World Wide Web Consortium (W3C) は、会員組織、専任スタッフ、そして一般の皆様が一丸となって Web 標準の策定に取組む国際的なコンソーシアムです。W3C は、Web の長期的な発展を保証すべく設計された Web 標準や指針の策定を通じ、その使命の遂行に努めます。現在までに 400 を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。W3C は、日本の慶應義塾大学、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及びアメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL) の各ホスト機関により共同運営されています。加えて各国地域における普及推進拠点となる W3C 事務局を世界各地に設置しています。詳しくは W3C の Web サイト http://www.w3.org/ をご参照下さい。

 

 

お問合せ先 (日本、アジア)
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お問合せ先 (ヨーロッパ、アフリカ、中東)
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