広範で国際的な支持を集める生命科学分野への Semantic Web の応用に関する W3C Workshop を開催

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既存及び潜在的なアプリケーションについて調査し、今後求められる協調関係構築についての共通認識を確立

 

http://www.w3.org/ — 2004年10月26日 — World Wide Web Consortium (W3C) は、W3C Workshop on Semantic Web for Life Sciences (生命科学分野への Semantic Web の応用に関するワークショップ) を10月27日と28日の2日間、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブリッジにて開催いたします。本ワークショップは、複雑で膨大な科学技術データを公開し共有するという挑戦的な課題を解決するために、Semantic Web 技術をどのように活用すれば良いかについて議論すべく、科学者、技術者、そして生命科学産業分野の専門家らで構成される多様で国際的な団体が一堂に会する初のワークショップとなります。本ワークショップでは、関係者及びコンピュータが、事前に疾病や治療、あるいは薬品開発について理解するのを支援するために必要性が増している、生物学的データのネットワーク化に焦点を当てます。コンピュータ上での複雑な生物学的データの取り扱いをより容易にする最新の Web 技術を利用することで、研究者らはより迅速に人体についての理解を進められるようになります。

W3C 技術統括責任者を務める Tim Berners-Lee は次のように説明しています。「新薬開発に端を発する課題は、生命科学に関わる様々な分野のデータを統合できたときに初めて解決されます。他の工業分野でもそうだったように、ある分野でデータに対して標準技術を採用すると、情報共有が容易になるだけでなく、そのデータを他の分野からも利用できるようになります。それこそが Semantic Web の真髄です。」

また W3C 訪問研究員である John Wilbanks は次のように述べています。「W3C の Semantic Web 技術に基づき、生命科学情報を相互接続されたデータネットワークに蓄積するという膨大な一連の作業が既に行われています。生命科学コミュニティからの多数の参加とともに、本ワークショップにより、今日の学術及び産業分野における先端技術に基づく研究開発を促し、より多くの情報共有の機会が明示的に提供されることを期待しています。」

効果的なデータの統合や分析、協調に関わる障壁やコストを小さくするために、Resource Description Framework (RDF)Web Ontology Language (OWL) といった Semantic Web 基盤技術が、相互運用可能な方法でどのように利用されているのかについて、約30の見解が発表されます。Tim Berners-Lee による基調講演に続き、アメリカ合衆国国立癌研究所生体情報学センター、スイス生体情報学研究所 / UniProt、ジャクソン研究所、ミシガン大学医学部からの各専門家らが、公開情報フレームワーク (オントロジ) における Semantic Web 技術の利用事例について解説します。また Aventis Pharmaceuticals、Astra Zeneca、Elsevier、HPIBM、Oracle Life Sciences といった企業からの代表者は、ノウハウの管理、科学専門誌の出版、あるいはオントロジの利用といった話題に関する事例報告を行います。

W3C WorkshopW3C 会員及び一般参加者が一堂に会し、W3C における標準化活動の今後の方向性について議論する機会を提供します。本ワークショップに提出された見解と、開催当日の発表及び議事録については、ワークショップ終了後、W3C の Web サイト上に公開されます。

World Wide Web Consortium [W3C] について

W3C は、Web の発展と相互運用性を確保するための共通のプロトコルを開発することにより、Web の可能性を最大限に引き出すべく設立されました。W3C は、アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL)、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及び日本の慶應義塾大学がホスト機関として共同運営にあたっている国際産業コンソーシアムです。コンソーシアムにより提供されるサービスには、開発者及び利用者のための World Wide Web に関する豊富な情報、新技術を応用した様々なプロトタイプやサンプルアプリケーションの開発などが挙げられます。現在までに、400近い組織がコンソーシアムの会員となっています。詳しくは http://www.w3.org/ をご参照下さい。

 

お問合せ先 (アメリカ、オーストラリア)
Karen Myers, <karen@w3.org>, +1.617.253.5509 または +1.978.502.6218
お問合せ先 (ヨーロッパ、アフリカ、中東)
Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33.492.38.75.94
お問合せ先 (アジア)
平川 泰之, <chibao@w3.org>, +81.466.49.1170

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