User Agent Accessibility Guidelines (UAAG) 1.0 勧告候補の公開について

著者と公開日

出版日:

http://www.w3.org/ -- 2001年9月13日 -- World Wide Web Consortium (W3C) は本日、 障害を持った方々に対し、 よりアクセシビリティの高いブラウザやマルチメディアプレイヤなどの Web アプリケーションを設計する際の Web Accessibility Initiative (WAI) 指針の実装を開発者の皆様に行って頂きたく、User Agent Accessibility Guidelines (UAAG) 1.0 を勧告候補として公開いたしました。W3C 勧告候補としての公開は、本指針が安定し、 実装するのに十分なものであることを意味しています。

UAAG 1.0 により完結する3つの Web アクセシビリティソリューション

UAAG 1.0 では、 キーボードナビゲーション、マルチメディア描画制御、オプション設定、 オンラインマニュアル、音声合成や拡大表示を行う専用のソフトウェアとの通信、 そして様々なユーザインタフェース機能が、視覚障害、聴覚障害、肢体障害、 認識障害、神経障害を持つ人々にとって如何に有益であるかを説明しています。 例えば、最低限必要なキーボードナビゲーションを提供するだけでも、 視覚障害や肢体障害によりマウスの使えない人にとって効果的なものとなります。

UAAG 1.0 で述べられているソフトウェアの機能は、既に W3CWAI によって公開された以下の2つの指針を補完するものです。

実装の呼びかけを意味する勧告候補

W3Cプロセスドキュメント では、技術仕様がどのような手続きを経て勧告となるかが規定されています。 技術仕様が勧告候補となるということは、 関連していないワーキンググループ、あるいは広く一般に向けた、 明示的な実装試験の呼びかけを意味しています。

User Agent Accessibility Guidelines ワーキンググループ (UAWG) 議長でイリノイ大学アーバン - シャンペーン校の Jon Gunderson 博士は、つぎのように述べています。 「UAAG 1.0 の策定過程において勧告候補となることは重要な段階です。 UAWG では、 開発者がこれらの指針を実装することによってソフトウェアのアクセシビリティを包括的に取り扱えるようにします。 我々は、開発者がこれらの指針を理解し、実装が促進されるものと期待しています。」

UAAG 1.0 が勧告候補となるまでに、以下の組織を含む、 多くの一般の開発者からの貴重な技術的なレビューコメントを頂戴しました。

  • ソフトウェア開発組織: Adobe, AOL, IBM, Microsoft, Netscape, Opera, RealNetworks, Sun
  • 障害者支援技術開発組織: Alva, Freedom-Scientific, GW-Micro, interNext

UAAG 1.0 において要求されている機能のうち、 一般に入手可能な幾つかのソフトウェアにおいてどの機能がすでに実装されているかが、 実装報告 として公開されています。

Web Accessibility Initiative について

W3C の Web Accessibility Initiative (WAI) は、 以下に挙げる Web を補足する5つの活動を通じて、 Web のアクセシビリティに取り組んでいます。

  • Web テクノロジがアクセシビリティへの対応を保証する活動
  • アクセシビリティ指針の策定
  • Web サイトの評価と改善を容易にするツール開発の調整
  • 教育・啓蒙活動の指揮
  • 研究開発との調整

WAI の International Program Office は、アクセシビリティの高い Web の実現に関心を持つ、産業界、障害者組織、アクセシビリティ研究組織、 政府機関の連携を実現します。 WAI は、 米国教育省の National Institute on Disability and Rehabilitation Research、欧州委員会の Information Society Technologies Programme、 カナダ政府、Industry Canada's Assistive Devices Industry Office, IBM, Microsoft, Verizon, Wells Fargo などからの後援を受けています。 WAI に関する詳しい情報は、http://www.w3.org/WAI をご覧ください。


World Wide Web Consortium [W3C] について

W3C は、Web の発展と相互運用性を確保するための共通のプロトコルを開発することにより、 Web の可能性を最大限に引き出すべく設立されました。 W3C は、アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所 (MIT/LCS)、 フランス国立情報処理自動化研究所 (INRIA)、および日本の慶應義塾大学がホスト機関として共同運営にあたっている国際産業コンソーシアムです。 コンソーシアムにより提供されるサービスには、開発者および利用者のための World Wide Web に関する豊富な情報、 新技術を応用した様々なプロトタイプやサンプルアプリケーションの開発などが挙げられます。 現在までに、520を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。詳しくは http://www.w3.org/ をご参照下さい。

 

問い合わせ先 (アメリカ) --
Janet Daly, <janet@w3.org>, +1.617.253.5884 または +1.617.253.2613
問い合わせ先 (ヨーロッパ) --
Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33.492.38.75.94
問い合わせ先 (アジア) --
竹内 佐衣子, <saeko@w3.org>, +81.466.49.1170

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