平川 泰之

W3C 2008730 (日本時間)
World Wide Web Consortium (W3C)
マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所
欧州情報処理数学研究コンソーシアム
慶應義塾大学 SFC 研究所
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Mobile Web Best Practices 1.0 及び XHTML Basic 1.1 の公開について (W3C 勧告)

新たにモバイル Web アプリケーション指針への取組みも開始し、魅力に富んだ使い心地の良いモバイル Web を実現する W3C 標準

(also available in English and Français; see also translations in other languages)

W3C 会員組織による推薦状も併せてご覧下さい。


http://www.w3.org/ — 2008729 — World Wide Web Consortium (W3C) は本日、携帯機器上での Web 利用を容易にする新たな標準として、Mobile Web Best Practices 1.0W3C 勧告として公開いたしました。本勧告は、モバイル Web に携わる多数の利害関係者らの経験的知見を、携帯機器向けコンテンツ制作に対する実用的な助言として取りまとめたものです。

W3C のモバイル Web イニシアティヴ (MWI) 活動責任者を務める Dominique Hazaël-Massieux は、「モバイル Web コンテンツ開発者らは、より使い心地の良いモバイル Web の実現を支援する安定した指針とこなれたツールを利用できるようになりました。W3C の使命である1つの Web の実現に向け、利用者の皆様にとって使い心地の良い優れたモバイル Web を実現できるツールの提供を通じ、開発者の皆様を支援させて頂きたいと思います。」 と述べています。

移動中での Web 利用の課題に取組むモバイル Web 設計指針

Mobile Web Best Practices 単語帳型早見表 抜粋 指針を要約した Mobile Web Best Practices 単語帳型早見表

移動中の Web 利用では、多様化するハードウェアやソフトウェア、機器の制約、通信帯域の制限といった様々な課題に直面します。Mobile Web Best Practices 1.0 では、コンテンツ制作者らが直面するこれら課題の解決や、多種多様な携帯機器上でも利用できるコンテンツ制作を支援します。コンテンツ制作者らは、データ入力やページ内での画面移動など、使い心地に関する課題に対処する実用的な助言が得られます。

コンテンツ開発者らはこれまで、多数の携帯機器向け記述言語の中からの選択を迫られる、という課題にも直面していました。本日、Mobile Web Best Practices 1.0 が推奨する記述形式として、XHTML Basic 1.1W3C 勧告として同時公開されたことで、Open Mobile Alliance (OMA) による策定分も含め、携帯機器向け記述言語が完全に1つに集約されました。

広く普及した W3C 検証サービスとともに W3C mobileOK Checker 開発版を利用することで、開発者らは携帯機器向け Web コンテンツを容易に検証できるようになります。

次の一手となるモバイル Web アプリケーション指針

英国 Juniper Research 社の報告によれば、モバイル Web 2.0 に伴う全世界市場規模は、本日現在の円ドル為替レート換算で、2008 年現在の 55 億ドル、日本円で約 6,000 億円から、2013 年には 224 億ドル、日本円で約 24,000 億円にまで拡大すると予想されています。この市場拡大傾向を維持すべく、Mobile Web Best Practices 作業部会 (MWBP WG) では本日、モバイル Web アプリケーションを対象とした新たな指針となる Mobile Web Application Best Practices 草案初版を同時公開いたしました。既存の実践例では一般的な Web 利用を想定していましたが、新指針では、携帯機器上での利用者とのやりとりに Web アプリケーションやウィジェットの利用を想定しています。位置情報に依存した高品位な情報提供やインタフェースなど、携帯機器向けコンテンツ提供者による、位置情報を活用した Web アプリケーションの利用などを想定しています。

W3C ではこの他、携帯機器向けでかつ身障者向けにアクセシビリティも確保されたコンテンツの制作方法を指南した、コンテンツ制作者向けの情報整備も進めています。MWBP 作業部会Web アクセシビリティ イニシアティヴ (WAI)教育と普及啓蒙作業部会 (EOWG) では、Relationship between Mobile Web Best Practices (MWBP) and Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 草案の共同策定を進めています。

MWI 協賛会員組織やモバイル業界大手を始めとする MWBP 作業部会参加組織は、本日公開のモバイル Web 仕様群への支持を表明しています。

World Wide Web Consortium [W3C] について

World Wide Web Consortium (W3C) は、会員組織、専任スタッフ、そして一般の皆様が一丸となって Web 標準の策定に取組む国際的なコンソーシアムです。W3C は、Web の長期的な発展を保証すべく設計された Web 標準や指針の策定を通じ、その使命の遂行に努めます。現在までに 400 を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。W3C は、日本の慶應義塾大学、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及び米国 マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL) の各運営組織により共同運営されています。加えて各国地域における普及推進拠点となる W3C 事務局を世界各地に設置しています。詳しくは W3CWeb サイト http://www.w3.org/ をご覧下さい。

本件お問合せ先:
日本、アジア (慶應義塾大学 SFC 研究所) — 平川 泰之, <chibao@w3.org>, +81-466-49-1170
ヨーロッパ、アフリカ、中東 (ERCIM) — Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33 492 38 75 94 または +33 676 86 33 41
アメリカ、オーストラリア、その他 (MIT CSAIL) — Ian Jacobs, <ij@w3.org>, +1.718.260.9447