平川 泰之

W3C 200766 (日本時間)
World Wide Web Consortium
マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所
欧州情報処理数学研究コンソーシアム
慶應義塾大学 SFC 研究所
報道発表一覧 | RSS

多様な利用環境における横断的な Web アプリケーションの実現に関する W3C 研究会を開催

機器の如何を問わず、連続的な Web アプリケーションの動作に求められる技術や手法について検討

(also available in English and Français; see also translations in other languages)


http://www.w3.org/ — 200765 アプリケーション開発者らの意図を実現するための厳密な手段よりもむしろ、それら意図を表現した宣言的手法を用いることで、Web アプリケーションの開発、管理コストをどの程度削減できるのかを把握すべく、Web アプリケーション専門家らが65-6日の2日間にわたり、アイルランド ダブリンにて一堂に会します。分散 Web アプリケーションにおける宣言モデルに関する W3C 研究会 W3C Workshop on Declarative Models of Distributed Web Applications では、自宅や職場でだけでなく、移動中や外出時のモバイル環境など、如何なる利用環境においても、より効果的な Web アプリケーションが利用できるよう、重点的に検討します。本研究会は、アイルランド政府産業開発庁の支援の下、MobileAware との共催にて開催されます。

W3C ユビキタス Web アプリケーション活動責任者を務める Dave Raggett は次のように説明しています。「開発者らは、記述言語、スタイルシート、スクリプト言語などに対するブラウザ毎の準拠度合いや実際の動作を詳細に把握すべく、非常に多くの時間と労力を費やしています。Web 利用に対応した機器の多様化に伴い、この複雑かつ困難な状況は悪化の一途を辿っています。本研究会では、アプリケーションそのものやアプリケーション利用者らが実際に得られる恩恵を実現する具体的な方法については各機器の特性に応じて機能不足を補う任意のソフトウェア群に委ねる代わりに、開発者らがそれら実現されるべき機能そのものの検討に集中して取り組めるよう、様々な可能性を模索します。」

現状の Web アプリケーションでは、Web ページ内だけでなく、Web サーバ側でも相当数のスクリプトが用いられています。そのため、異なる機器上や環境において当該アプリケーションを実行するためには、多くの場合、アプリケーション自体の改変が必要不可欠となります。本研究会では、各機器に対して配信される単なる記述言語としてではなく、むしろ全体としての Web アプリケーション記述に対する宣言的手法の適用可能性について検討します。

サーバ側では今日、クライアント側に配信されるマークアップ記述をその場で生成するためのスクリプト処理が広範に利用されており、それらスクリプトの記述や管理に求められるコストこそが、宣言的手法を適用し得る余地に相当すると言えます。本手法の応用先として XML データベースや XQuery は大変有望です。同様に、機器特性やアクセス制御規則に関する記述に従い、それらの表現や推論を行う場合には、セマンティック Web の応用も考えられます。特に、機器特性だけでなく、個人情報や秘匿情報に対する、より高度なアクセス制御が求められる新たな形態の Web アプリケーション実現の可能性を議論する上で、安全性や使い勝手も重要な検討課題となります。

信頼性、個人認証、個人情報保護、安全性を取扱う上で避けては通れない課題こそ、本研究会において重点的に検討されるべき問題です。遠隔操作されるプリンタや、他のアプリケーションサーバ、あるいは様々な外部事象に即応して動作するユビキタスアプリケーションなど、想定されるアプリケーションは複数の機器との連係動作が必要となるため、それぞれの処理において各々認証手続を行わなくとも、それらの機器を安全に利用できる方法を提供することが求められます。

本研究会の開催にあたり、提出された見解書や、開催当日の講演内容、講演資料は、議事録要旨とともに本研究会のページにて公開されます。

World Wide Web Consortium [W3C] について

World Wide Web Consortium (W3C) は、会員組織、専任スタッフ、そして一般の皆様が一丸となって Web 標準の策定に取組む国際的なコンソーシアムです。W3C は、Web の長期的な発展を保証すべく設計された Web 標準や指針の策定を通じ、その使命の遂行に努めます。現在までに 400 を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。W3C は、日本の慶應義塾大学、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及びアメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL) の各ホスト機関により共同運営されています。加えて各国地域における普及推進拠点となる W3C 事務局を世界各地に設置しています。詳しくは W3CWeb サイト http://www.w3.org/ をご覧下さい。

本件お問合せ先:
日本、アジア (慶應義塾大学 SFC 研究所) — 平川 泰之, <chibao@w3.org>, +81-466-49-1170
ヨーロッパ、アフリカ、中東 (ERCIM) — Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33 4 92 38 75 94 または +33 6 76 86 33 41
アメリカ、オーストラリア、その他 (MIT CSAIL) — Janet Daly, <janet@w3.org>, +1.617.253.5884 または +1.617.253.2613