W3C 技術諮問委員会 (TAG) の組織について

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W3C TAG による Web 技術体系の基本原則の取りまとめと、 技術的問題の解決のための助力

推薦状もご参照ください。

 

http://www.w3.org/ -- 2001年12月11日 -- World Wide Web Consortium (W3C) は、 W3C 技術諮問委員会 (Technical Architecture Group, TAG) を組織した事をお知らせ致します。この委員会の役割は、Web 技術体系の基本原則についての合意形成と、 必要な場合にその基本原則の解釈および明確化を行う事です。

TAG 委員は、W3C 会員組織、W3C スタッフおよび広く Web コミュニティからの参加者からなり、 選出による委員と指名による委員の双方によりバランスを取る形になっています。 これらの委員は全員、それぞれの技術的背景や Web 技術に関する経験、 そして、私的な重要性よりも公益に重きを置く能力に基づいて選ばれました。

Web 技術体系についての共通認識形成への W3C の取り組み

W3C はその成長に伴い、 W3C 会員とその他の組織の双方から、 様々な技術に影響する、 技術体系の基本原則について文書を用意してほしいという多くの要請を受けて来ました。 具体的には、例えば「W3C の各技術は相互にどのように組み合わせられるのか?」、 「新技術の開発に取り掛かる前に、 認識しておく必要がある基本事項は何か?」などの質問をお受けしてきました。 W3C 内での討議検討の結果、 技術体系の基本原則について記した文書と、 技術体系についての不一致が生じた場合の解決方法の必要性が明らかになってきました。

W3C Director である Tim Berners-Lee は、 次のように説明しています。 「Web は最小限を志向した設計がされるべきで、 任意の制約はできる限り少なくすべきです。 しかし、Web 技術 の相互運用性と一貫性を保つために、 これらの制約を貫く事もまた非常に重要です。 TAG の役割は、 これらの制約をつなぎ合わせ、発生し得る矛盾を解消する事です。」

TAG の役割は、 Web の技術体系についてのまとめ役を果たす事であると規定されています。 この役割を果たすため、TAG は以下に示すことを行います。

  1. Web 技術体系の基本原則についての合意形成と文書化、 および必要な場合にその基本原則の解釈および明確化
  2. TAG に持ち込まれた一般的な Web 技術体系に関する問題の解決
  3. W3C 内外の領域横断的な技術に関して、 その技術開発の調整についての助力

TAGW3C Process において規定された、 Director の役割を置き換えるものではありません。しかし、 Web 技術体系に関する問題が発生した場合に、Director が TAG に対して 助言を求めることはあり得ます。

TAG 委員の顔触れ - 指導的技術者による Web 技術体系の取りまとめ

TAG 憲章 に示された規定に基づき、 5人の TAG 委員は W3C 会員によって選出され、 残りの3人は Director によって指名されました。 Director が、TAG の議長になります。

W3C 会員によって選出された TAG 委員は以下の通りです。 (名字のアルファベット順)

  • Paul Cotton, W3C XML Query ワーキンググループ議長および XML Protocol ワーキンググループメンバー (Microsoft Corporation)
  • Roy Fielding, HTTP/1.1 仕様共著者 (eBuilt, Inc. および Apache Software Foundation 会長)
  • David Orchard, W3C XML Core および XML Protocol ワーキンググループメンバー (BEA Systems)
  • Norman Walsh, W3C XSL および XML Core ワーキンググループ、URI インタレストグループメンバー (Sun Microsystems)
  • Stuart Williams, W3C XML Protocol ワーキンググループメンバー (Hewlett-Packard Company)

W3C Director によって指名された TAG 委員は以下の通りです。 (名字のアルファベット順)

  • Tim Bray, W3C XML 1.0 仕様共編者 (Antarcti.ca)
  • Dan Connolly, Semantic Web 開発者、前 HTML ワーキンググループ議長、 XML アクティビティリード (W3C)
  • Chris Lilley, SVG ワーキンググループ議長、 Graphics アクティビティリード (W3C)

通常、Director 以外の TAG 委員の任期は2年間てすが、 任期をずらすため、最初の TAG 委員のうち一部は1年間の任期になります。

説明責任を果たすための作業内容の公開について

TAG が解決すべき問題は、 Web コミュニティ全体にとって重要な問題になると考えられます。 そこで、TAG の討議用メーリングリストや、リストの送付先、 その任務を記述した憲章、現状報告などは、すべて一般に公開されます。 詳しくは、TAG ホームページをご参照下さい。

World Wide Web Consortium [W3C] について

W3C は、Web の発展と相互運用性を確保するための共通のプロトコルを開発することにより、 Web の可能性を最大限に引き出すべく設立されました。W3C は、 アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所 (MIT/LCS)、 フランス国立情報処理自動化研究所 (INRIA)、及び日本の慶應義塾大学がホスト機関として共同運営にあたっている国際産業コンソーシアムです。 コンソーシアムにより提供されるサービスには、 開発者及び利用者のための World Wide Web に関する豊富な情報、 新技術を応用した様々なプロトタイプやサンプルアプリケーションの開発などが挙げられます。 現在までに、510を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。 詳しくは http://www.w3.org/ をご参照下さい。

 

問い合わせ先 (アメリカ) --
Janet Daly, <janet@w3.org>, +1.617.253.5884 または +1.617.253.2613
問い合わせ先 (ヨーロッパ) --
Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33.492.38.75.94
問い合わせ先 (アジア) --
竹内 佐衣子, <saeko@w3.org>, +81.466.49.1170

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