W3C 標準の ODRL ポリシーが産業界で採用拡大
ODRL ポリシー勧告(モデル と 語彙(ボキャブラリ))は 2018 年に最終化され、近年、世界のさまざまなコミュニティで注目すべき採用が進んでいる。
産業界でのグローバルな採用
ODRL は国際標準で使用される画像の利用ポリシーを記述するためのデフォルトのポリシー言語として、JPEG Trust 標準に採用された(PDF)。JPEG Trust のユースケースには、関係当事者、権利者、利用条件、補償などを ODRL で表現する事例が含まれている(PDF)。
International Data Spaces Association(IDSA)は、ODRL をその リファレンスアーキテクチャモデル に含めている。IDSA Usage Control Language は ODRL ポリシー言語を拡張したもので、利用ポリシーやセキュリティ制御ポリシーを機械可読で記述する仕様を提供している。このアプローチは、Australian DataSpaces など、他国のデータスペース実装者にも採用されている。
Data Spaces Support Centre(DSSC)は、アクセスおよび利用ポリシーの強制における ODRL の適用を調査し、データスペースの ガバナンスメカニズムの形成 における ODRL の重要性をさらに強調している。
Gaia-X コンソーシアムは、データが信頼できる環境で共有され利用されるデジタル主権エコシステムの構築を目指している。その中で、検証可能なクレデンシャル(Verifiable Credential)に基づく属性情報を用いたアクセス・利用制御のための ODRL プロファイル が開発された。
欧州連合知的財産庁(EUIPO)は、オープンな権利データ交換のためのポリシー表現に ODRL の使用を推奨している。Copyright Infrastructure Task Force は、義務を機械可読で表現する適切なフォーマットとして ODRL を挙げており、当事者間の合意内容を柔軟に記述できることも評価している(PDF)。
コミュニティによる今後の標準化検討
これらの実例は、ODRL が幅広い産業ユースケースに適用可能であることを示す重要な証拠であると同時に、産業界における強固で柔軟なポリシーメカニズムの将来的なニーズを明確に示している。これは、W3C のビジョンと、20 年以上にわたり取り組んできた ODRL コミュニティチームの揺るぎない献身の成果でもある。
2000 年に始まった取り組みから、ODRL は 2018 年に W3C 勧告として公開され、それ以来、W3C ODRL Community Group において議論と発展が続けられてきた。これには、追加のプロファイル、より精密なセマンティクス、コミュニティ語彙、ツールやフレームワークなどが含まれる(詳細は ODRL Landscape を参照)。ODRL に対する産業界の関心と採用が高まる中、ODRL Community Group は今後の仕様の正式標準化を計画すべき時期に来ているかどうかについて、幅広いコミュニティからの意見を求めている。
写真:Paul Hanaoka(Unsplash より)
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