CSS2 勧告案の公開について

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World Wide Web Consortium (W3C) は24日、 Cascading Style Sheets, level 2 (CSS2) を W3C 勧告案として公開しました。 同勧告案に対して、今後 W3C 会員による検討と投票が行なわれます。

CSS2 の特長

W3C Cascading Style Sheets and Formatting Properties (CSS&FP) ワーキンググループによって開発・発展された CSS は、Web ページの表現力を向上させ、より柔軟なレイアウトを可能にするスタイルシート記述言語です。 CSS2 は、現在広く普及している CSS1 をもとに、以下に挙げるような新機能を追加したものです。

多様なメディアのスタイル制御
印刷、スライド、携帯端末などさまざまなメディアに対するスタイル制御が可能になりました。例えば印刷出力において改ページ位置、ヘッダ・フッタなどを指定することができます。
位置指定や重ね合わせ
文書中の要素の表示位置や、その重ね合わせの順番を指定できるようになり、柔軟なページレイアウトが可能になりました。
より進んだ国際化対応
言語属性によるスタイル選択、日本語などに合わせたリストの番号付け、文字セットの指定、右から左へ書く言語のサポートなど、より進んだ国際化が行なわれました。
柔軟なフォント機能
自動的なフォントのダウンロードや合成などが可能になりました。
音声出力の制御
音声出力を利用する際の声色、音量、速さ、高さ、定位などの各種プロパティを指定することが可能になりました。

W3C はより豊富な表現を可能にするため、また実装の一貫性を保証するため、CSS を発展させる作業を続けています。

CSS&FP ワーキンググループは産業界で中心的な役割をはたしている企業・団体、および Web デザイン、印刷、国際化、出版などの専門家で構成されています。 メンバーとしてアドビシステムズ社、 Bitstream Inc.、 Centrum voor Wiskunde en Informatica (CWI)、 Electricité de France、 ヒューレット・パッカード、IBM コーポレーション、 Lotus Development Corporation、 Macromedia Inc.、 マイクロソフト・コーポレーション、 National Institute of Stardards and Technology (NIST)、 Novell, Inc.、 Silicon Graphics, Inc.、 SoftQuad Inc. などが参加しています。

CSS2W3C Style Sheets Activity の一環として開発されました。その仕様書は <URL:http://www.w3.org/TR/PR-CSS2/> から入手できます。 CSS に関するより詳しい情報は <URL:http://www.w3.org/Style/CSS/> をご覧下さい。

W3C のプロセス

W3C のワーキンググループで研究・開発された仕様は、 W3C 会員により正式に承認されなければなりません。 仕様はワーキングドラフト・勧告案というレビュー段階を経て W3C 勧告となります。

レビューを重ねて仕様として安定してきたワーキングドラフトは、 W3C Director の検討・承認を受けて勧告案となり、W3C 会員により、 正式な W3C 勧告とするかどうかの投票が行なわれます。

投票は W3C 会員組織からの各一名の代表により構成される W3C Advisory Committee により、 勧告案を W3C 勧告とすることに対して、1) 賛成 2) 条件付き賛成 3) 指摘する欠陥が修正されなければ反対 4) 反対のいずれかの票を投じることで行なわれます。

会員による投票期間中、ワーキンググループは細かな技術的問題があればそれを解決し、結果を W3C Director に報告します。 この後、W3C Director は当該案に対し、

  • W3C 勧告として承認する (細部の修正はあり得ます)
  • ワーキングドラフトに戻す
  • W3C の活動項目から外す

のいずれかの決定を行ないます。

会員による投票と検討の期間は、約6週間です。


World Wide Web Consortium (W3C) について

World Wide Web Consortium (W3C) は、 米国マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所 (MIT/LCS)、 フランス国立情報処理自動化研究所 (INRIA)、日本の慶應義塾大学 SFC 研究所 (Keio-SFC) がホスト機関として共同運営に当たっています。World Wide Web (WWW) 技術に関する情報の提供をはじめ、作成された規格を実現する標準的コードの実装、新技術を応用したさまざまなプロトタイプやサンプルアプリケーションの開発などに取り組んでいます。現在 250 を超える組織がコンソーシアムの会員として参加しています。

World Wide Web Consortium に関するより詳しい情報は、 <URL:http://www.w3.org/> をご覧下さい。

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