我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか

(ボストン美術館藏)

本イベントの内容

• W3Cとは何か
• W3Cの取り組むWeb標準化活動の例
  • 講演1: W3Cにおけるマルチモーダル対話処理の標準化
  • 講演2: Webにおけるビデオコンテンツの利用
  • 講演3: Webアプリケーションにおける地理位置情報の活用 (W3C Geolocation API)
• 講演4: わが国におけるマルチモーダル対話記述標準化
• パネル討論: ユビキタスWeb実現にあたっての課題

(本スライドで説明する範囲)

W3Cとは何か

W3Cをご存知ですか?

• 知っている
• 名前は聞いたことがある
• 知らない

W3C = World Wide Web Consortium

Web考案者 Tim Berners-Lee により創設された，Web技術の国際的標準化団体

国際的産業コンソーシアム

会員企業，専任スタッフ，および一般参加者が協力

使命

Webの相互運用性確保のために必要な，各種標準仕様および指針の策定

会員企業

世界中の418企業が参加 (9月3日現在)

W3C = Member + Team

W3C会員: W3C Member

• W3CのWeb技術標準化に賛同し会員登録する各種組織
• 標準化活動への参加者 (Working Group participants) および 諮問委員会委員 (Advisory Committee Representatives)
• 9月3日現在 418組織 (うち日本会員は30組織)

チ−ムスタッフ: W3C Team

• 仕様策定に関わる作業の支援 (Technical staffs)，組織運営 (Management/Administration)，広報 (Communications)，システム支援 (Systems)
• MIT, ERCIMおよび 慶應義塾大学 という3ホスト機関のいずれかに所属
• 9月3日現在67名 (うち慶應ホストには10名)

W3Cホスト

W3Cを共同運営する，3つの研究機関

アメリカ

• マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所(MIT CSAIL)

フランス

• 欧州情報処理数学研究コンソーシアム(ERCIM)

日本

• 慶應義塾大学

W3C慶應ホスト

東アジア地区(日本および韓国)を担当

• 会員，非会員向けに様々なサービスを提供
• 日本国内向けの日本語による情報提供
• 現在，10 名のスタッフが標準化活動に従事

標準化の重要性(1): 乾電池

互換性・相互運用性

• いつでも，どこでも利用可能

標準化の重要性(2): 電子メール

プラットフォームに左右されない

• パソコンと携帯電話でのメールのやりとり

標準化の重要性(3): そしてWeb技術

• open: 特許に制限されない
• global: 世界中の誰にも使いやすい
• de facto: 机上の理論でなく，実装ベースの技術

W3C Recommendation Track

ワーキンググループ(WG)による仕様策定活動

様々な技術仕様書やガイドラインを策定

ワーキンググループ(WG)の構成

議長:

各種会議およびスケジュールの管理 (主にW3C会員側参加者から選出)

チームコンタクト:

議長を補佐しWG活動を支援 (W3Cチームから選出)

Invited Expert:

WG活動に必要な専門家を外部から招聘

標準仕様策定には，世界中の技術者が参加

効果的なコミュニケーション手段の組合せ:

電話による日常的な情報交換・意識合わせ

• 各仕様ごとに: 1, 2回/週
• 補助的手段: メーリングリスト, IRC, Web等

Face-to-Face会議による，綿密な打ち合わせ

• 各仕様ごと，あるいはWGごとに: 1回/2-3か月

W3Cの活動への参加方法

W3Cは会員制の産業コンソーシアム

1. まず，W3Cへの会員登録が必要 (会費が発生)
2. その上で，各仕様を作成するワーキンググループに参加登録

W3C会員

会員種別に応じた年会費

Full Member

総収入が年間 230億円 (23,000,000,000 JPY) かそれ以上の営利組織

会費年額: 730万円 (7,300,000 JPY)

Intermediate Member

総収入が年間 57億5000万円 (5,750,000,000 JPY) かそれ以上かつ 230億円 (23,000,000,000 JPY) 未満の営利組織

会費年額: 292万円 (2,920,000 JPY)

2005年4月から2008年中までの3年間だけの暫定措置で， この期間中に新たに20組織が Intermediate Member として会員登録すると， 正式に運用されることになる

Affiliate Member

非営利組織及び上記に当てはまらない組織 (営利組織を含む)

会費年額: 73万円 (730,000 JPY)

特許に関する留意点

• W3C勧告に含まれる全ての本質的技術 (Normative Technology) は W3C Royalty Free License にもとづいて提供されなければならない
• 各ワーキンググループ参加者は，Royalty Free Licenseへの同意が必要

W3Cの取り組む
Web標準化活動の例

講演1: W3Cにおける
マルチモーダル対話処理の標準化

マルチモーダル対話ワーキンググループ

ユビキタスWebの実現へ向けて

GUI, 音声, 画像, ペン入力, ジェスチャー, 触覚など， 多様な方法(モダリティ)を用いてWebにアクセス

• 誰でも，どこでも，どのような装置からでも，そしていつでも
• 利用者にとって最も好ましい方法で Web にアクセス
• そのときどきの状況に応じた最適な情報/サービスを入手

MMIアーキテクチャ

マルチモーダル対話アプリケーション作成のための，共通基盤的フレームワーク

多様な入出力モダリティへの対応

入力

• 音声
• 手書き入力
• ボタン操作
• ゲーム機器等のコントローラ
• etc.

出力

• 各種ディスプレイ
• 録音音声および合成音声
• 各種サウンド
• 触感，振動
• etc.

多様な入出力の例1: SVGによる地図情報の利用

電子国土データ (国土地理院) → JIS化

携帯電話地図サービス(既に1000万端末以上に搭載ずみ)

多様な入出力の例2: InkMLによる手書き入力情報共有

複数利用者による「デジタル・ホワイトボード」

1. 手書き入力のやりとりによる即時的情報交換
2. 既存の地図情報に対する情報付加
3. 複数利用者による，同一ドキュメントへの情報付加

多様な入出力の例3: SSMLによる音声合成出力

Web技術と音声技術の統合

• 世界中のあらゆる電話から，
• 音声，もしくは簡単なキー操作で，
• さまざまな Web 上のサービスを利用

[サンプルSSMLスクリプト | サンプルスクリプトによる合成音声]

W3Cの国際標準化活動にご参加ください!

期待される効果・メリット

• Web技術に関する様々な標準仕様策定への直接参加
• 自らのアイデア・要求仕様を「国際標準」に反映
• 標準仕様検討および品質保証のためのワークベンチとして活用

→開発・メンテナンスコストの抑制，情報収集，宣伝効果

お問合せ先 (ご質問や W3C への参加希望等)

慶應義塾大学 SFC 研究所 W3C

〒252-8520 神奈川県藤沢市遠藤 5322

電話: 0466-49-1170

Fax: 0466-49-1171

email: keio-contact@w3.org

担当: 平川，岩佐，芦村

関連情報

このスライド:

• http://www.w3.org/2008/Talks/fit2008/0904-mmi-ka/

W3C全般について:

• W3Cトップページ
• W3Cについて
• 初めて訪れる方向けの説明

マルチモーダル対話ワーキンググループについて:

• MMI Architecture
• MMI Authoring
• EMMA
• InkML
• Multomodal Interaction WG Activity Statement
• Multomodal Interaction WG Charter
• Multomodal Interaction WG 一般公開用 Mailing List
• Multomodal Interaction WG 一般公開用 Web page

標準仕様策定活動について

• W3C Process Document
• Publication Policy

特許方針について

• W3C Patent Policy
• Patent Policy FAQ
• Implementation of Patent Policy