クルマとWebの新しい関係
〜WebをクルマにつなぐW3Cの国際標準化〜

http://www.w3.org/2015/Talks/0206-web+auto-ka/

2015年2月6日
W3C/慶應 芦村和幸





Manhattan Bridge

目次

背景: 「クルマとWeb」を取り巻く状況

ICTによる「クルマとWeb」のパラダイムシフト

ICT進化による,ライフスタイル/ワークスタイルの変化

(総務省 H26 情報通信白書 参照)

コネクテッドカーによるビジネス展開

「クルマとWeb」を取り巻く近況

自動車におけるソフトウェアの役割増大

諸外国におけるテレマティクス義務化

Webへの期待

OSに異存しないアプリ開発のプラットフォーム!

Media and Devices

Open Web Platform

HTML5を核とする,Webアプリのプログラミング環境

Open Web Platform

(Mozilla Japan dynamis氏 講演スライドより引用)

HTML5とは?

HTML (HyperText Markup Language) のバージョン5


HTML family

HTML5の特徴

HTML5への期待

新機能の例

→ 強力な拡張機能を持つ標準プラットフォーム

→ 適用範囲は「PC/モバイル」から「クルマ」へ!

コネクテッドカー

Web連携で

高度ナビ・プローブ,運転支援情報提供,運転状況記録,異常検知・緊急通知等

Web-based IVI

コネクテッドカーの広がり
— Audi

Audi connect

audi connect

(総務省「ICT先端技術に関する調査研究」(平成26年)より)

コネクテッドカーの広がり
— GM

gm mylink

(総務省「ICT先端技術に関する調査研究」(平成26年)より)

コネクテッドカーの広がり
— トヨタ

toyota NaviCon

(総務省「ICT先端技術に関する調査研究」(平成26年)より)

コネクテッドカーの広がり
— Apple

apple CarPlay

(総務省「ICT先端技術に関する調査研究」(平成26年)より)

コネクテッドカーの広がり
— Google等

OAA (Open Automotive Alliance)

OAA Web page

(OAA Webページより)

CES2015の話題
— トレンド


Mercedes' Self-Driving Car

(Newsweek Web Siteより)

BMW's SmartWatch

(BMW Web Siteより)

CES2015の話題
— キーとなる技術

自動車関連情報の増大:
道路,歩行者,物体,信号,標識,気象,運転者,同乗者等
データ処理のための共通プラットフォーム:
膨大なデータ処理を共通化,分析・応用ビジネス展開
多様な端末・接続携帯との連携:
様々な規格が乱立 (AllSeen,OIC等),SmartWatchがハブになる?

日本側の動き
— Webと車に関する検討会

民間の検討会.総務省等もオブザーバ参加 (2012年12月〜)

検討会

イベント開催

日本側の動き
— SIP (戦略的イノベーション創造プログラム)

自動走行システム

ICTを活用した次世代ITSの確立

様々な交通状況において,高度な安全性を確保

  1. 自動走行システムに必要な車車間通信・路車間通信技術の開発
  2. 歩車間通信技術の開発
    事故削減のため,歩行者・自転車の位置・速度等の情報を自動車とやりとり:
    1. 専用端末利用直接通信型
    2. 携帯電話ネットワーク利用型
      1. 携帯電話ネットワーク利用型アプリケーション動作検証
      2. 携帯電話ネットワーク利用型情報収集・配信
        • 様々な情報をビッグデータとして蓄積: 収集・分析・配信
        • リアルタイムな事故回避の仕組みを補完・精度向上
        • 事故発生分析情報,道路コンディション,気象情報,交通プローブ情報,歩行者プローブ情報等
  3. インフラレーダーシステム技術の開発

「Webと車」のアイデアソン

W3Cで進む「クルマとWeb」の国際標準化

W3Cとは?

W3Cは設立20周年

米国サンタクララにて「W3C20」(設立20周年式典) 開催

Tim Berners-Lee (Web発明者) とVint Cerf (Internet発明者)

W3C会員企業

全世界: 会員企業一覧

日本会員:

W3C運営体制
— 4つのホスト機関

W3C/MIT アメリカ: マサチューセッツ工科大学 (MIT)

W3C/ERCIM フランス: 欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)

W3C/Keio 日本: 慶應義塾大学 (Keio)

W3C/Beihang 中国: 北京航空航天大学 (Beihang)

W3C運営体制
— W3C/慶應チーム


W3C/Keio Team

W3C運営体制
— W3Cグローバルチーム


W3C Global Team

W3C Automotive BGの標準化議論

テーマ

W3C標準の下案が完成 (2014年12月4日)

Vehicle Information Access API
— 車載機器の制御API定義

Vehicle Information Access API仕様案

Vehicle Data
— 車載機器のデータ定義

Vehicle Data仕様案

Vehicle Data
— 車載機器のデータ定義 (続き)

Vehicle Data仕様案

Vehicle Data
— 車載機器のデータ定義 (続き2)

Vehicle Data仕様案

W3C Automotive BGの参加状況

参加企業 (赤字は日本企業)


※注意: 一部,業界団体での参加あり:

今まで開催した6つの会合

2012年11月14-15日: ローマ・ワークショップ

W3Cにおける「クルマとWeb」議論の始まり

議題

優先課題

2013年4月22日: バルセロナ会合
2013年5月29日: 東京会合

2014年3月17-18日: サンタクララ会合

2014年5月22-23日: ヨーテボリ会合

2014年10月9-10日: アナーバ会合

さらなる技術的課題

→「自動車向けWeb技術における今後の課題」で補足説明

今後,WG設立して正式勧告化

Automotive Working Group設立

今後

WGが設立されると?

「仕様書案」が正式な「W3C勧告」(=Web標準)に!

→ 今後のWG議論にはW3C会員であることが必要

Automotive WG participation

W3Cは「クルマとWeb」の架け橋になれるか?

Web応用による顧客メリット向上?

より柔軟な情報共有とアプリ構築?

W3Cへの期待?

W3C/慶應チームもがんばっています!


W3C Keio Team in The Global Team

W3Cご活用について
  ご検討いただけますと幸いです

先行技術に関する会員限定情報の入手と活用
技術トレンド,御社事業への影響,製品実装のポイントの見極め
TPAC/AC等,会員限定会合へのご参加
他社の動向・思惑に関する情報入手
国際標準化議論における「協調と競争」のバランス
英語で世界と戦える人材育成の「場」としても
御社のアイデアをW3CへINPUT
W3Cグループにて議論・検討,デファクト化 (特に戦略的技術分野)
標準運用ガイドライン策定
標準仕様の運用ガイドラインに関するコンセンサスを早期に形成

いろいろな情報共有

ご参加にあたって
— W3C会員加入

年間売上や業務形態に応じた年会費:


※参考: BG限定参加費

ご参加にあたって
— W3C 特許方針

まとめ

日本を代表する皆様と「クルマとWeb」に関する最新情報共有


今後の国際標準化議論へのご参加お願い

ありがとうございました!