マーチャント向けのウェブ技術をさらに改善へ

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W3Cビジネスグループで顧客体験とビジネスニーズを追求

https://www.w3.org/ — 2020年10月21日 — W3Cは本日、ウェブ上の技術における顧客体験の向上とビジネスニーズの課題に対処するためにMerchant Business Group(BG)を発足しました。本BGでは、マーチャント、情報通信企業、プラットフォームプロバイダーなどがウェブ上の技術における課題や追加すべき機能などを探求し、ウェブ標準が電子商取引にどのような影響を与え、課題を改善するかを、ウェブを構築する各組織とともに議論を進めてゆきます。

本BG発足と同時に参加した組織は、Worldpay社、Fiserv社、Coles Supermarket Group社、Connexus社です。

幅広くマーチャントの意見を収集

W3C Web Payments Working Group (WPWG)には既にマーチャントや情報通信企業が数多く参加しています。

WPWGの共同議長の一人であるニック・テルフォード=リード氏は「マーチャントのニーズを確実に実現するため、ウェブ上の電子商取引の課題に対してマーチャントからより大きな声をあげてほしいのです。Merchant BGではオンラインの商売時に直面するユースケースと課題を洗い出します。」とマーチャントの参加を促しています。

Merchant BGの共同議長を務めることができてうれしく思います。本BGの使命は企業間取引(B2B)と企業と一般消費者の取引(B2C)双方のウェブ技術を改善することです。新しい技術や新型コロナウイルス感染症によるオンラインショッピングの需要の高まりについての議論に、私は特に関心を持っています。私はオーストラリアのメルボルンに在住しており、現在は店内での買い物を制限するステージ4の封鎖制限が設けられています。これの状況により、あらゆる商品をオンラインで購入することに依存せざるを得ません。ウェブのチェックアウト、アクセス可能な没入型のウェブ、モバイルウェブの商取引などの改善をすることで望ましい状況に到達できるでしょう。」と述べています

Coles Groupのメラニー・オブライエン氏は

マーチャントの声は業界の未来を形づくります。FISは、ペイメント技術のグローバルリーダーとして商取引に携わる顧客に対して多大な投資を行っています。世界中の消費者に対してスマートな電子商取引の体験を提供し、世界中の小売業者のニーズがW3Cで確実に具現化されるために貢献できることをうれしく思っています。

もう一人の共同議長であるFISグローバルのジョン・オブライエン氏からは、次が寄せられています

本BGは、W3C標準技術プロセスに則って幅広い議論からW3Cでの作業を開始して徐々にトピックの優先度を特定してゆきます。

  • 導入の検討をすべき価値を持つW3Cのウェブ決済技術を通したウェブ上のチェックアウト
  • 電子商取引のアクセシビリティ、国際化、プライバシー、認証、ユーザフリクションのニーズのバランス
  • 新たな規制要件と優れた顧客体験
  • ウェブ広告の展開
  • オンライン詐欺削減のための優れた取組み
  • トランザクションの整合性と保証の強化
  • 顧客との対話や決済、顧客継続のためのアクセス可能な没入型ウェブ体験
  • モバイルウェブ電子商取引体験の向上

活動のスコープ

Merchant BGのチャーターは下記内容を網羅しています。

  • 他W3Cグループと協議し、ウェブ技術の傾向やマーチャントに与える影響を共有。これらには非技術的な説明が含む
  • 現在のマーチャントの課題の特定と対応するベストプラクティス。またそれらが各種要因、例えばプライバシー要件などのため、どのように変化する可能性が考えられるか
  • W3C内外のグループに見受けたマーチャントのユースケースと要求項目の訴求
  • WPWGWeb Authentication Working GroupImmersive Web Working Groupなど、他W3Cグループとの作業のレビュー

Merchant BGへの参加

Merchant BGはマーチャントのニーズに焦点を合わせているものの、W3C会員やW3C BG参加企業(特定のBGのみ参加可能な加入形態)など、世界中に参加の門戸は開かれています。

W3C BGは、特定のウェブ技術に対して短期的に議論や開発に関与したいイノベーターを含むW3C会員やBG参加組織、そして同じ志を持つステークホルダーと協力するためにベンダー中立のフォーラムを提供する場です。

Merchant BGの詳細はこちらをご覧下さい。

ワールドワイドウェブコンソーシアム(W3C)について

W3Cの使命は、世界中の人々にとってウェブがオープンでアクセス可能で相互運用可能であることを保証するための技術標準とガイドラインを作成し、ウェブを最大限に活用することです。W3C技術として広く知られているHTMLとCSSは、ウェブサイトを構築するための基盤となる技術です。W3Cはアクセシビリティ、国際化、セキュリティ、プライバシーなどの分野で全ての基本的なウェブ技術が社会のニーズを満たすよう取り組んでいます。W3Cはエンターテイメント、通信、電子書籍、金融サービスなどの分野でウェブを活用するビジネスのインフラストラクチャを支える技術標準も提供しています。それらの技術はオープンに開発され、W3Cの特許ポリシーに基づいて無償で世界に提供されています。W3Cは、オンラインビデオをキャプションと字幕でよりアクセシブルにするための作品として2016年の技術・工学エミー賞を、テレビ上での視聴をすべての人に、なおかつアクセシブルとするための技術で2019年にも同賞を受賞しました。

「One Web」に対するW3Cのビジョンには、400を超える会員組織と数10の業界部門を代表する何千人もの真摯な技術者が集まっています。W3Cは、米国のMITコンピュータ科学・人工知能研究所(MIT CSAIL)、フランスに本部を置く 欧州情報数学研究会(ERCIM)、日本の 慶應義塾大学、中国の北京航空航天大学が共同で運営しています。詳細についてはhttps://www.w3.org/を参照ください。

End Press Release

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Amy van der Hiel, W3C Media Relations Coordinator <w3t-pr@w3.org>
+1.617.253.5628 (US, Eastern Time)

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