Device Independent Authoring Language (DIAL) の標準化に着手

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携帯電話事業者、通信事業者、携帯機器関連企業らを中心に検討が進む、標準仕様に基づく新たなコンテンツ制作指針

 

http://www.w3.org/ — 2006年5月16日 — World Wide Web Consortium (W3C) は本日、多種多様に拡大の一途をたどる携帯機器向けのコンテンツ制作指針となる Device Independent Authoring Language (DIAL) の標準化に着手いたしました。W3C の Device Independence ワーキンググループでは、本公開草案初版に対するコミュニティ関係者らによるレビューと活発な議論を求めます。

W3C 会員組織である Volantis を代表し、本ワーキンググループ議長を務める Rhys Lewis 氏は次のように説明しています。「DIAL を始めとする一連の仕様群では、多種多様な機器特性にも十分にかなう新たな特徴を備えつつ、確立された既存の Web 技術や原理、原則を最大限に活用するとともに、それらの利用可能範囲の拡大にも貢献します。携帯機器製造者、ソフトウェア販売者、携帯通信事業者、コンテンツ関連企業、アクセシビリティ関係者らから得られた専門的知見を結集することで、携帯機器のある生活の質向上に DIAL が一役買うことになります。」

日々増大するコンテンツ制作課題に直面するコンテンツ提供者

今日では広範な特性を持つ多岐にわたる携帯機器が日常的に利用されています。それらの利用者は、移動中においても、パソコン上で閲覧する Web コンテンツと同等のサービスの質や情報量を求めるようになります。

この多様性はまた、Web コンテンツデザイナや携帯通信事業者らに対しても同様に多大な難問を投げ掛けます。2,500 種類を超える異なる携帯機器向けにどのようにコンテンツを制作すれば良いのか、あるいは、携帯通信事業者はそれらコンテンツを利用者が満足できる方法で効率的に配布するにはどうすれば良いのか、といった課題が挙げられます。

容易なコンテンツ制作を実現する確立された新たな技術を盛り込む DIAL

これらの難問に立ち向かうべく DIAL では、情報、体裁、配置、利用者による操作がそれぞれ独立して記述されることで、より柔軟かつ適応性のあるコンテンツ制作が可能になる、という立証済みの方法を採用しています。

DIAL は、W3C の既存の XML 語彙と CSS モジュールに基づく言語プロファイルです。これらは、Web ページの構造や体裁、あるいはフォーム記述を表現するための標準技術となります。DIAL はまた、状況に応じたコンテンツ配布に向けたコンテンツ制作に固有の課題を克服すべく、DISelect において規定されるメタデータ語彙を利用します。

既に業界からの広範な支持を獲得する DIAL

DIAL は、ANEC、The Boeing Company、CNRETRI、France Telecom、IBM Corporation、Mobileaware, Ltd.、Nokia、Segala、Vodafone、Volantis Systems Ltd といった業界をリードする W3C 会員組織らで構成される W3C の Device Independence ワーキンググループにおいて策定が進められます。

Device Independence ワーキンググループはその活動を通じ、分断されていない唯一の Web を意味する "one Web" をあらゆる機器においても実現すべく、W3Cモバイル Web イニシアティヴ (MWI) 向けの技術基盤開発の一役を担います。

World Wide Web Consortium [W3C] について

World Wide Web Consortium (W3C) は、会員組織、専任スタッフ、そして一般の皆様が一丸となって Web 標準の策定に取組む国際的なコンソーシアムです。W3C は、Web の長期的な発展を保証すべく設計された Web 標準や指針の策定を通じ、その使命の遂行に努めます。現在までに 400 を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。W3C は、日本の慶應義塾大学、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及びアメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL) の各ホスト機関により共同運営されています。加えて各国地域における普及推進拠点となる W3C オフィスを世界各地に設置しています。詳しくは W3C の Web サイト http://www.w3.org/ をご参照下さい。

 

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