World Wide Web Consortium (W3C) 設立10周年記念祝賀式典を挙行

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過去を回想し、将来を示唆すべく、技術界を代表するリーダや著名人らが一堂に会する終日式典

 

http://www.w3.org/ — 2004年11月30日 — World Wide Web Consortium (W3C) は2004年12月1日、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンの Fairmont Copley Plaza ホテルにて W3C 設立10周年記念シンポジウム "W3C10" を開催いたします。W3C10 では、世界中から Web 及びインターネットに携わる技術リーダらが一堂に会し、W3C の誕生について想起するとともに、Web の将来と W3C が今後果たす役割についても目を向けます。

15周年を迎えた Web、10周年を迎えた W3C

欧州共同原子核研究機関 (CERN) 勤務時代の1989年3月、Tim Berners-Lee は World Wide Web の基礎となった研究計画を提出しました。当時の上司であった故 Mike Sendall の承認と Robert Cailliau ら同僚らの支援を受け、Tim Berners-Lee の発明は1990年当時 CERN に設置されていたたった1台しかなかったサーバから、今日の数え切れないほど多くのサーバへと普及していきました。

Tim Berners-Lee は当時すでに技術のオープン性、合意に基づく標準やプロトコルといった重要な特徴に裏打ちされた素晴らしい発展の可能性に気付いていました。CERN は分断されていない1つの Web を全てのユーザに保証すべく、Tim が開発したプログラムのソースコードを、標準やプロトコルの開発、普及、利用を確約する全ての人に無償で入手可能とすることに合意しました。

1994年10月、Tim Berners-Lee は当時のマサチューセッツ工科大学計算機科学研究所 (MIT LCS) の故 Michael Dertouzos の支援を受け、World Wide Web Consortium (W3C) を設立しました。W3C として最初に言明した使命は "To Lead the Web to Its Full Potential" 「Web の可能性を最大限に導き出すために」 でした。これは少なくとも2つの明確な方法で達成されています。1つは、Web 標準として広く業界によって採用されている HTMLCSSXML といった技術勧告の策定です。XML については新たな画像形式 SVG やマルチメディア形式 SMIL だけでなく、XHTML Basic や VoiceXML 2 といった携帯機器向アプリケーションの基盤ともなっています。これらの標準形式の策定に加え、W3CSemantic Web の研究開発拠点としても機能しています。W3C はまた、WAI国際化特許方針といった Web 技術の発展と適用可能性を多くの人々に幅広く促進するための方針や実践の公開を通じても Web に影響を与えました。

過去を振り返り、将来を見据える W3C10

W3C では設立10周年を記念し、12月1日、W3C 会員と招待参加者を対象としたシンポジウムを終日開催します。本シンポジウムでは W3C の次の10年に向け、Web の影響力、Web の発展において W3C が果たす中心的な役割、Web が直面する機会や危険性について議論します。

W3C 技術統括責任者を務める Tim Berners-Lee は次のように述べています。「この特別な記念祝賀式典は W3C が果たした役割と Web の影響力について確認する機会となります。またこれまで以上に世界中からの協調、創造性、理解を促す機会となることも期待しています。」

イーサネットの発明者で、インターネットの先駆者でもある Bob Metcalfe が本シンポジウムの司会を務めます。豪華なプログラムには、これまでに対する熟慮の時間とこれからに対する洞察の時間が等しく盛り込まれています。討論では、初期の Web と W3C の設立から、現在我々が経験している世界における Web の商業的、社会的な影響までを取り上げます。また、最先端の Web 技術開発を念頭に、Web や Web 標準の影響力、あるいは解消すべき緊張関係についても考察します。

W3C の最高執行責任者を務める Steve Bratt は次のように説明しています。「W3C10 は Web 技術の先駆者、標準化関係者、実装者、そしてその恩恵を受けた人々が一堂に会する祝賀式典です。我々はこの最高の一日を通じ、W3C のこれまでと Web 技術の将来に対する夢を皆で分かち合います。」

国際的で多様な W3C10 後援組織

W3C10 は非 W3C 会員を含む、以下プラチナスポンサー: マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL)、HP、Microsoft Corporation、以下ゴールドスポンサー: Adobe Systems、Amadeus e-Travel、BEA Systems, Inc.、Google、IBM、ILOG S.A.、INRIA、以下シルバースポンサー: Billiotek srl、CERNDERI、IONA Technologies, Inc.、Intervoice, Inc.、Nokia、Sogei、Uncover the Net からの後援で開催されます。

World Wide Web Consortium [W3C] について

W3C は、Web の発展と相互運用性を確保するための共通のプロトコルを開発することにより、Web の可能性を最大限に引き出すべく設立されました。W3C は、アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所 (MIT CSAIL)、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及び日本の慶應義塾大学がホスト機関として共同運営にあたっている国際産業コンソーシアムです。コンソーシアムにより提供されるサービスには、開発者及び利用者のための World Wide Web に関する豊富な情報、新技術を応用した様々なプロトタイプやサンプルアプリケーションの開発などが挙げられます。現在までに、350を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。詳しくは http://www.w3.org/ をご参照下さい。

 

お問合せ先 (アメリカ、オーストラリア)
Janet Daly, <janet@w3.org>, +1.617.253.5884
お問合せ先 (ヨーロッパ、アフリカ、中東)
Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33.492.38.75.94
お問合せ先 (アジア)
平川 泰之, <chibao@w3.org>, +81.466.49.1170

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