DOM Level 2 HTML の公開について (W3C 勧告)

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HTML 及び XHTML 1.0 文書への動的なアクセスを実現する新標準 API

推薦状もご覧下さい。

 

http://www.w3.org/ -- 2003年1月9日 -- World Wide Web Consortium (W3C) は本日、Document Object Model (DOM) Level 2 HTMLW3C 勧告として公開いたしました。本仕様は、HTML 及び XHTML 1.0 で記述された文書やデータを Java や ECMAScript のようなプログラミング言語を用いて取り扱うための標準 API (Application Programming Interface) について、業界を跨ぐ合意が得られたことを示しています。W3C 勧告であるということは、本仕様が安定しており、Web の相互運用性の確保に貢献し、W3C 会員組織によって検討され、 業界による本仕様の採用が支持されたことを意味します。

より信頼性のあるスクリプトをより容易に実現する DOM Level 2 HTML

「ダイナミック HTML」とは、HTML やスタイルシート、 スクリプトを組み合わせ、 動的に変化する文書を表現するために幾つかのベンダが用いている用語です。一方、 DOM と略記される Document Object Model は、 文書に動的にアクセスし、その内容や構造、 表示方法の変更が可能なプログラムやスクリプトを実現する、 プラットフォーム及び言語中立なプログラミングインタフェースです。

W3C では十分な時間を費やし、HTML 文書のオブジェクトモデルに対するスクリプトからの統一されたアクセス方法を策定しました。 W3CDOM ワーキンググループでは、1998年の DOM Level 1 の策定作業開始以来、 相互運用可能でスクリプト言語中立なソリューションが合意されるよう務めています。 2000年には DOM Level 2 の大部分が勧告として公開されましたが、DOM Level 2 HTML についてはさらなる策定作業が求められました。W3CDOM Level 2 HTML 勧告の公開により、 晴れてその策定作業が全て完了することになります。

DOM Level 2 HTML はプログラムやスクリプトに対し、HTML 及び XHTML 1.0 文書双方に対するナビゲート、変換、 更新を実現する標準インタフェースを提供します。HTML あるいは XHTML 1.0 のいずれを利用する場合でも、ユーザはそれら文書の操作に DOM を用いることができます。

信頼性のある実装報告とテストスィートに裏打ちされた DOM Level 2 HTML

W3C では、W3C 勧告の有用性と実効性を確保するため、W3C の各ワーキンググループに対し、 開発者らがソフトウェアの検証に利用できるテストスィートと実装報告の提出を義務づけています。 DOM Level 2 HTML の場合、DOM ワーキンググループはアメリカ国立標準技術研究所 (NIST) との協同で、 全ての開発者が自由に利用できる500を優に超える個別のテストからなるテストスィートを用意しました。

開発者コミュニティからの多大な貢献を含む、現在開発中の DOM テストスィートを用いることで、 ブラウザ開発者は実装中のソフトウェアの仕様適合性を検証し、 正しく修正することができます。DOM Level 2 HTML 勧告の策定にあわせ、 テストスィートも DOM Level 2 HTML に準拠する予定です。

業界及び開発者からの支持こそ DOM Level 2 HTML 成功の鍵

業界の鍵を握る専門家らから様々な専門的な技術や知識が提供された W3CDOM ワーキンググループには、Arbortext、Corel、IBM、Netscape、Oracle、X-Hive がそれぞれ参加しています。推薦状にも示されているように、 W3C 会員だけでなく、外部の開発組織からも既に DOM Level 2 HTML への支持が表明されています。現在 DOM ワーキンググループでは、 より上位レイヤの機能を提供する DOM Level 3 の策定に取組んでいます。

World Wide Web Consortium [W3C] について

W3C は、Web の発展と相互運用性を確保するための共通のプロトコルを開発することにより、Web の可能性を最大限に引き出すべく設立されました。W3C は、アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所 (MIT/LCS)、フランスに本部を置く欧州情報処理数学研究コンソーシアム (ERCIM)、及び日本の慶應義塾大学がホスト機関として共同運営にあたっている国際産業コンソーシアムです。 コンソーシアムにより提供されるサービスには、開発者及び利用者のための World Wide Web に関する豊富な情報、 新技術を応用した様々なプロトタイプやサンプルアプリケーションの開発などが挙げられます。 現在までに、450近くの組織がコンソーシアムの会員となっています。詳しくは http://www.w3.org/ をご参照下さい。

 

お問い合わせ先 (アメリカ、オーストラリア) --
Janet Daly, <janet@w3.org>, +1.617.253.5884 または +1.617.253.2613
お問い合わせ先 (ヨーロッパ) --
Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33.492.38.75.94
お問い合わせ先 (アジア) --
竹内 佐衣子, <saeko@w3.org>, +81.466.49.1170

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