MathML 勧告案の公開について

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World Wide Web Consortium (W3C) は24日、 Mathematical Markup Language (MathML) を W3C 勧告案として公開いたしました。 同勧告案に対しては、今後 W3C 会員による検討と投票が行なわれます。

MathML は、 World Wide Web 上で数式を表現するためのマークアップ言語です。

MathML の特長

  1. 数式の表記と意味とを記述することができる。
    数学データの表記法を指定するためのタグと、 数式の意味を伝えるためのタグという二種類のマークアップタグを用意することで実現しています。 これにより、数学や科学で使用される複雑な表記法を、 明確に記号化することができます。
  2. XML アプリケーションである。
    1998年2月10日に W3C 勧告となった XML 1.0 に準拠しており、 検索やインデクシングが容易になるなど、 XML の特長・利点を利用することができます。

MathML は、W3C Math Activity の一環として開発されています。 W3C Math ワーキンググループは、 業界の主要企業・団体や、 数学界からの専門家らで構成されています。 メンバーとしては、アドビシステムズ社、アメリカ数学会、 Design Science Inc.、エルゼビア サイエンス、 ミネソタ大学 The Geometry Center、 ヒューレット・パッカード、IBM コーポレーション、 INRIA、 MINSE/ゼロックス・パロアルト研究所、SoftQuad Inc.、 Stilo Technologies、 西オンタリオ大学、Waterloo Maple, Inc.、 Wolfram Research, Inc. などが挙げられます。

MathML に関する情報は、 <URL:http://www.w3.org/Math/> を、 MathML の仕様については <URL:http://www.w3.org/TR/PR-math/> をご覧ください。

W3C のプロセス

W3C のワーキンググループで研究・開発された仕様は、 W3C 会員により正式に承認されなければなりません。 仕様はワーキングドラフト・勧告案というレビュー段階を経て W3C 勧告となります。

レビューを重ねて仕様として安定してきたワーキングドラフトは、 W3C Director の検討・承認を受けて勧告案となり、W3C 会員により、 正式な W3C 勧告とするかどうかの投票が行なわれます。

投票は W3C 会員組織からの各一名の代表により構成される W3C Advisory Committee により、 勧告案を W3C 勧告とすることに対して、1) 賛成 2) 条件付き賛成 3) 指摘する欠陥が修正されなければ反対 4) 反対 のいずれかの票を投じることで行なわれます。

会員による投票期間中、 ワーキンググループでは、細かな技術的問題があればそれを解決し、 その結果を W3C Director に報告します。 この後、W3C Director は当該案に対し、

  • W3C 勧告として承認する (細部の修正はあり得ます)
  • ワーキングドラフトに戻す
  • W3C の活動項目から外す

のいずれかの決定を行ないます。

会員による投票と検討の期間は、約6週間です。


World Wide Web Consortium (W3C) について

World Wide Web Consortium (W3C) は、 マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所 (MIT/LCS)、 フランス国立情報処理自動化研究所 (INRIA)、 慶應義塾大学 SFC 研究所 (Keio-SFC) の日米欧三機関がホスト機関として共同運営に当たっている World Wide Web (WWW) 技術の標準化と推進を目的とする国際学術研究開発組織です。 W3C はインターネットの情報提供手段として不可欠な WWW 技術を推進する非営利組織として、 産業界に支えられつつも、常にベンダーに対し中立的立場に立ち、 国際的に共通な技術のデファクト標準化推進やプロトタイプの実装・提供に努めています。 現在、240を超える組織が W3C のメンバーとして研究開発活動に参加・協力し、 研究者およびユーザに向けての WWW に関する多様な情報の提供をはじめ、 共通のプロトコルに関する標準的コードの開発促進、 それら新技術を応用したさまざまなプロトタイプやサンプルアプリケーションの実社会への適用・開発などに取り組んでいます。 W3C は、 より高いインターオペラビリティを保ちながら WWW システムを地球規模 (World Wide) に発展させていくことを使命としています。

World Wide Web Consortium に関するより詳しい情報は、 <URL:http://www.w3.org/> をご覧ください。

W3C ホスト

 

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