誰のためのWeb?
— My Web, Your Web and the One Web

http://www.w3.org/2011/Talks/0421-web4whom-ka/

Kazuyuki Ashimura <ashimura@w3.org>
21 April 2011

sunset at SFC

「退屈の色」って,どんな色?

question about color/look
問題
目の見えない友人に「退屈の色ってどんな色ですか?」と聞かれ,からかわれたように感じた.なぜ,そう感じたのか.
解答と解説
「色」という言葉に「色彩」のみならず「様子」という意味があることを示され,普段「当たり前」だと思っている「色彩」に関する感覚に疑問を投げかけられたため困ってしまい,「からかわれた」と感じた.

いろいろな「おもちゃ」
— 毎日,当たり前のように使っているけれども...

controller for amplifier controller for video recorder controller for PC display TV mobile phone electric dictionary laptop PC telephone clock

その技術は「誰のためのもの」?

Interoperable?
相互運用可能ですか?
Multilingual?
多国語に対応していますか?
Multi-Modal?
多様な入出力方法に対応していますか?
Accessible?
誰でも使うことができますか?

Web技術はどうなんだろう?
— One Web!

Standardization for Web

HTML5
— 近頃巷で流行っているけれども...

アプリケーション・ユーザインタフェースの革新

HTML5 ≒ HTML + CSS + JS APIs

HTML5 機能の例

Video & Audio:
Flash等のプラグイン不要で動画や音声の再生
Canvas:
2次元画像のお絵描き
Drag & Drop
画像やテキストの移動・編集
Web Storage:
ローカルクライアントでのデータ保存
Web Sockets:
双方向かつ全二重通信
Web Workers:
マルチプロセス

新機能のデモ

HTML5は非常に多機能
— だが課題も...

拡張性:
名前空間を使わずに機能拡張
様々な User Interface への対応:
GUI以外の入出力モダリティ (音声,手書き認識等)
様々な機器や目的:
PC以外の機器での応用 (家電機器,印刷,電子書籍等)
機能の絞り込み (Profiles/Modules/Widgets):
各種産業界からの要請 (家電機器,モバイル機器等)

一つの可能性
— 例えば,マルチモーダルWeb

その仕組み
— マルチモーダル・マッシュアップ

GUI as IM for home network

いろいろな「おもちゃ」
— MMIで全部繋がります :)

controller for amplifier controller for video recorder controller for PC display TV mobile phone electric dictionary laptop PC telephone clock

例えば
— GUIや音声I/FとデジタルTVとのマルチモーダル連携

MMI/DLNA integration

より重要になるWebアクセシビリティ

相互運用可能ですか?
様々な機器ごとに異なる入出力/処理能力の調整
多国語に対応していますか?
各国語ごとに異なる言語解析処理
多様な入出力への対応は?
様々な入出力方法を組み合わせる際の操作感統一
誰でも,いつでも使えますか?
利用者や状況ごとに異なるニーズへの対応

 

→ 「私にとって当たり前なこと」は,他の人にとっては疑問かもしれない...

Web-機器連携のための検討
— W3C Web and TV Interest Group

二回のワークショップ

東京ワークショップ
2010年9月2-3日: 慶應義塾大学三田キャンパス
ベルリン・ワークショップ
2011年2月8-9日,ベルリン Fraunhofer-FOKUS

主なトピック

Web and TV Interest Groupの議長

様々な業界を代表する4人の議長が共同運営

ブラウザベンダ:
Giuseppe Pascaleさん (Opera Software)
機器ベンダ:
Hyeonjae Leeさん (LG)
通信:
川森 雅仁さん (NTT/ITU-T)
放送:
舟橋 洋介さん (Tomo-Digi)

Web and TV Interest Groupの使命

活動憲章: http://www.w3.org/2010/09/webTVIGcharter.html

二種類の参加方法

  1. 公開メーリングリスト上での議論

    <public-web-and-tv-request@w3.org>あて
    Subjectに"subscribe"と書いてメールください

  2. 電話会議およびFace-to-Face会議での議論

    W3Cにご加入ください! (W3Cご加入情報)

ところで,W3Cって?
— 3分でわかるWorld Wide Web Consortium

W3Cホスト

W3Cを共同運営する,3つの研究機関

- アメリカ: マサチューセッツ工科大学(MIT)
W3C/MIT
- フランス: 欧州情報処理数学研究コンソーシアム(ERCIM)
W3C/ERCIM
- 日本: 慶應義塾大学
W3C/Keio

日本(慶應大)もWeb標準に貢献しています!

W3C/慶應ホスト: 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス (大学院棟 4階 τ45号室)

W3C/Keio in Keio SFC

W3C会員として,国際標準化へご参加ください!

是非,Web標準,そしてW3Cの活動にご注目ください

世界へ情報発信し,ご一緒にWebの可能性を拡大させて参りましょう

仕様策定活動(Interest Group/Working Group)への参加:
国際標準仕様策定に直接参加し,みなさんのアイデアを盛り込める!
詳細情報の入手:
一般には公開されない,実装に必要な詳細情報を,会議やメーリスから事前に取得できる!
専門家との議論:
長年標準仕様策定に関わってきた各国の専門家と直接議論して,さまざまな問題点を早期に解決できる!

W3Cご参加方法

  1. まず,W3Cの会員になってください
  2. そして,各種仕様の検討・策定活動(Interest Group/Working Group)へご参加登録ください

 

会員種別に応じた 年会費

Full Member (フル会員)
総収入が年間 57.5億円以上の営利組織
会費年額: 740万円
Affiliate Member (アフィリエイト会員)
上記以外の組織 (非営利組織を含む)
会費年額: 85万円

お問合せ先

慶應義塾大学 SFC 研究所 W3C
〒252-8520 神奈川県藤沢市遠藤 5322
電話: 0466-49-1170
Fax: 0466-49-1171
email: keio-contact@w3.org
担当: 一色, 吉澤, 芦村

ありがとうございました!