W3C

User Agent Accessibility Guidelines 1.0 の公開について (W3C 勧告)

アクセシビリティの高いブラウザやマルチメディアプレイヤの開発を支援する第3の Web Accessibility Initiative (WAI) 指針

お問い合わせ先 (アメリカ) --
Janet Daly, <janet@w3.org>, +1.617.253.5884 または +1.617.253.2613
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Marie-Claire Forgue, <mcf@w3.org>, +33.492.38.75.94
お問い合わせ先 (アジア) --
竹内 佐衣子, <saeko@w3.org>, +81.466.49.1170

(also available in English and French)

推薦状、及び、UAAG 1.0 についての FAQ リストもご覧下さい。


http://www.w3.org/ -- 2002年12月17日 -- World Wide Web Consortium (W3C) は、User Agent Accessibility Guidelines 1.0 (UAAG 1.0)W3C 勧告として公開いたしました。これは Web アクセスに用いられるブラウザやマルチメディアプレイヤに必要とされるアクセシビリティ機能について、 障害者コミュニティと開発者との間で合意が得られたことを意味しています。W3C 勧告であるということは、本仕様が安定しており、Web の相互運用性の確保に貢献し、W3C 会員組織によって検討され、 本仕様が広範に採用されることを意味します。

Web ブラウザやメディアプレイヤは、 いわば Web への入り口として機能します。 しかし、 もしそのような基本的なツールが障害者にとって使いにくいものであったとしたら、 入り口のドアは鍵が掛けられ、 しかも鍵のない状態のままにされていることに他なりません。過去5年もの間、 Web Accessibility Initiative に所属する技術者と障害者らは、アクセシビリティの高い Web コンテンツの制作と、 そのようなコンテンツを意識することなく制作できるオーサリングソフトウェアの設計に対し、 それぞれ決定版となる指針を提供してきました。本日の User Agent Accessibility Guidelines の公開により、開発者らは Web ブラウザやメディアプレイヤをより多くの人にとってより使いやすいものにするのに必要な具体的なガイドを手にすることになります。」と W3C 技術統括責任者である Tim Berners-Lee は述べています。

全ての人に Web を -- アクセシビリティが確保されなければならないコンテンツ、オーサリングツール、 ブラウザ、そしてマルチメディアプレイヤ

Web は、学び、働き、買物し、遊び、 そして他人とコミュニケーションする、 といった今までにない機会を世界中の人々にもたらしました。また、 しばしばこれらの活動の多くから取り残されてしまっていた障害者にとって、 その機会はそれ以上のインパクトを持ってもたらされました。 しかしながら障害者による Web アクセスには、Web 開発者がアクセシビリティの低いデザインよりも、 アクセシビリティの高いデザインを採用することが大前提となります。 本指針はブラウザやメディアプレイヤの開発において、 アクセシビリティの高いデザインを如何に選択するかについて説明しています。

UAAG 1.0 はソフトウェア開発者向けに書かれ、 ユーザインタフェースのアクセシビリティ、アクセシビリティ情報の表示方法、 ブラウザやメディアプレイヤを設定する際のユーザの選択肢、 といった必要条件について言及しています。本指針はまた、 障害者支援技術を実装した主要なブラウザやマルチメディアプレイヤの相互運用性についても言及しています。 UAAG 1.0 は、Web Content Accessibility Guidelines 1.0 (WCAG 1.0)Authoring Tool Accessibility Guidelines 1.0 (ATAG 1.0) とともに、相互に補完し合う Web アクセシビリティ3指針の最後の1つです。

あらゆるユーザにとってより優れたソフトウェアを実現する指南役となる UAAG

これら3指針 (UAAGWCAGATAG) は、W3CWeb Accessibility Initiative (WAI) によって策定されました。過去5年もの歳月を経て、WAI はデバイス独立でマルチモーダルな設計を通じ、視覚、聴覚、肢体、認識、 神経に障害のあるユーザに対するアクセシビリティの問題に取組み、 Web アクセシビリティの分野において、 他の追随を許さない国際的な権威として認められるようになりました。WAI のこれら3指針はともに、Web 開発者が全ての人にとってアクセス可能なユニバーサルで単一な Web を実現するという期待にこたえられるようにします。

UAAG 1.0 は、HTML 及び XHTML ブラウザ、 マルチメディアプレイヤ、画像ビューア、 障害者支援技術といった多様な形式のユーザエージェントを対象としています。 UAAG 1.0 に準拠したソフトウェアは全てのユーザに対し、より柔軟で、 管理しやすく、拡張可能で、有益なものであることが求められます。

ブラウザ及びメディアプレイヤに既に多くの機能が実装されている UAAG

「過去5年もの間、 ブラウザ及びメディアプレイヤの開発組織や障害者支援技術開発者、 あるいは障害者に詳しい専門家らは、その専門知識を余すところなく UAAG 1.0 に注いできました。さらに User Agent Accessibility Guidelines ワーキンググループ (UAWG) では UAAG 1.0 勧告に加えて、Techniques for UAAG 1.0 (様々なマークアップ言語や多様なユーザエージェント形式上での実装における詳細) と、ユーザエージェントが UAAG 1.0 に準拠しているかが確認できる UAAG 1.0 用テストスィートUAAG 1.0 用ユーザエージェント評価対話フォームを用意しています。 これらのツールにより、開発者、ユーザ、あるいは販売代理店は、Web ソフトウェアのアクセシビリティへの対応度合いを評価することが可能になります。」と UAWG の議長である Jon Gunderson は説明しています。

ソフトウェアへの UAAG 1.0 の実装は既に進捗しています。 本ワーキンググループでは、延長された勧告候補期間中に開発者らと集中的に議論し、 多種多様なソフトウェアにおける UAAG 1.0 実装報告書をまとめました。本報告書は、 ブラウザやメディアプレイヤ、あるいは障害者支援技術の開発者や、政府機関、 障害者団体による支持や貢献へのきっかけとなる、UAAG 1.0 への業界からの賛同と実現可能性を明示しています。

Web Accessibility Initiative [WAI] について

W3CWeb Accessibility Initiative (WAI) は、世界各国の組織と協調し、次の5つの活動を通じて Web のアクセシビリティの向上に努めています。

  1. アクセシビリティを保証する Web 中核技術の実現
  2. Web コンテンツ、ユーザエージェント、 オーサリングツールに対する指針策定
  3. アクセシビリティ向上のための評価・修正ツールの開発支援
  4. Web のアクセシビリティに関する教育啓蒙や普及活動の陣頭指揮
  5. 将来的に Web のアクセシビリティに影響を与える可能性がある研究開発との調整

WAI の活動の一部は、米国教育省国立障害者リハビリテーション研究所、 欧州委員会情報社会技術プログラム、カナダ産業省障害者支援デバイス産業局 (ADIO)、Elisa Communications、Microsoft Corporation、IBMSAPVerizon FoundationWells Fargo から資金援助を受けています。

World Wide Web Consortium [W3C] について

W3C は、Web の発展と相互運用性を確保するための共通のプロトコルを開発することにより、Web の可能性を最大限に引き出すべく設立されました。W3C は、アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所 (MIT/LCS)、フランス国立情報処理自動化研究所 (INRIA)、及び日本の慶應義塾大学がホスト機関として共同運営にあたっている国際産業コンソーシアムです。 コンソーシアムにより提供されるサービスには、開発者及び利用者のための World Wide Web に関する豊富な情報、 新技術を応用した様々なプロトタイプやサンプルアプリケーションの開発などが挙げられます。 現在までに、450を超える組織がコンソーシアムの会員となっています。詳しくは http://www.w3.org/ をご参照下さい。